ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)
5-7 光の質のコントロール(柔らかさ)
光の質を表す言葉として、「硬い光」とか「柔らかい光」という表現が使われます。これは光の強さの状態を表しているように思えますが、実は、影の形のシャープさを表しているのかもしれません。光の質が最もよく分かるのは、光そのものというより、影の出かたではないでしょうか。
光の質の表現としては、他に「直接光」「拡散光(間接光)」や「スペキュラー光」「ディフューズ光」があります。「スペキュラー」というのは「ぎらぎらする」「ピカッと反射する」状態を言い、「ディフューズ」は、光が「拡散している」状況を言います。
「硬い光」「直接光」「スペキュラー光」の代表的な例は、真夏の直射日光です。強烈な直接光で、明暗がくっきりしています。被写体には、真っ黒くて形もハッキリした影がでます。また周囲の影響がないので、色が正確に出しやすい光です。
これに対して「柔らかい光」「拡散光(間接光)」「ディフューズ光」は、曇りの日です。薄い光が一面に散らばっている感じで、明暗差があまりなく、被写体の影も薄くてぼんやりしています。
光は拡散(ディフューズ)させることで彩度が落ちます。階調(グラデーション)が豊かになる反面、直接光より発色は劣るのです。このことは、夏の明るい陽射しと梅雨時の曇り空では、それに照らされたものの色の鮮やかさはまったく違うので、直感的にわかると思います。また反射した壁の色や屈折率が、被写体の色に悪影響を与えることもあります。
それでも作品の撮影をする場合には、拡散光(間接光)を利用した方が良いのです。デジカメでペーパークラフト作品を撮影する場合、あまり硬い光を当てると、画面が白飛びしたり真っ黒な影が出たりして、画面がなんとなく汚いイメージになりがちです。それよりは、全体に柔らかい光をまんべんなく照らした上で、斜めにやや強めの光を当てることで、作品に薄い影を出して立体的に見える状態を作り出すのがいいと思います。そして暗い影の部分もよく見ると、きちんとディテールが分かるような感じに……。人間の目はとても優秀なので、デジカメで撮る場合には、肉眼で見て「ちょっと明暗差が足りなくて、立体感が薄いかな」と思う程度に抑えた方が、この状態を作り出しやすいようです。
光を柔らかくする方法(影を柔らかくする方法でもあります)には、(1)ディフューザーを使う方法、(2)間接(バウンス)光を使う方法、(3)レフ板を使う方法、
(4)ほかの光源を追加する方法などがあります。
また、最後に、(5)アクセントライトを使う方法として、逆に硬い光を追加してアクセントをつける方法を紹介します。