ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)
3 レンズによる遠近感表現(広角と望遠)
広角レンズを使うと広い範囲が撮れて、望遠レンズを使うと遠いものでも大きく撮れます(標準ズームレンズの場合は、広角側が広角レンズの特性を持ち、望遠側が望遠レンズの特性を持っています)。
同じものを画面いっぱいになるようにして、広角レンズと望遠レンズで撮影した場合には、レンズの特性による違いが大きくでます。
望遠レンズでは、遠近感が圧縮されます。望遠レンズは遠くのものでも大きく写すという特性があるので、近くにあるものと遠くにあるものの距離が圧縮されたように見えて、遠近感が弱くなってしまうのです。
これとは逆に、広角レンズでは遠近感が強調されるため、近いものほど大きく遠いものほど小さく写ります。高層ビルを作った細長いペーパークラフトを撮影する場合には、下から「あおり」(下から上を見上げるような角度)で広角で撮ると、地面に近い方はより大きく、空に近い方はより小さく写るので、天に届きそうに伸びていく感じが演出できます。でも女性を撮影する場合は、広角レンズで下から写すのはやめましょう。脚が実際以上に大根足に見えたりします。また広角レンズは中心部が膨らんで見えるように空間を歪めて写す特性がありますので、顔が膨張して写ったりして、相手にがっかりされたりもします。
女性を撮る場合には、望遠で撮ると良いとよく言われます。望遠だとカメラが遠くなるので、「カメラを意識しなくなって自然な表情が撮れる」のも理由の一つですが、その他に「広角と違って空間が歪まずに自然なバランスで撮影できる」こと、「被写界深度が浅いので、背景をぼかして表情だけを強調できる」ことがあります。これについては「被写界深度」の項目で詳しく紹介しますので、そちらも参考にしてください。
こういう広角と望遠の特性をおさえて、それを活かすような写真を撮りましょう。