ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
10-5-2 紙の白さの測定方法
紙の白色度の測定の方法について、以下に紹介します。
色はそこに当たっている光の強さや色で、さまざまに変化して見えるので、きちんとした基準や測定法がないと、紙の白さを比較したり評価したりできません(世界中で製造されている紙を全部並べて評価などとても出来ませんから)。そのため計数的な表現として白色度(ブライトネス、brightness)が設定され、JIS(日本工業規格)で規定されています。これがパルプや紙などの表面色の白さの程度を示す指標になります。
白色度の測定は、試験片(紙など)の表面に光を当てたときに、反射した光の比率(反射率)を数値化して表わします。それは「ものに光を当てると、一部は透過し、一部は反射され、残りは吸収されるが、すべての波長の光を吸収すれば、そのものは黒に見え、また、すべての光が反射、散乱されれば、そのものは白く見える」という原理を使っていて、その光の反射率で示します。
白色度の単位は%で、0%は黒(真っ黒)、100%は真っ白となり、数字が大きいほど白くなります。
白色度の測定に使用される試験器には、ホトボルト反射率計やGE白色度計などがありますが、JISに決められているのは拡散照明方式によるISO白色度(JIS
P 8148)です。これは、国際規格ISO白色度(ISO 2470)に準拠しており、その測定法(概略)は次の通りです。
積分球 (直径150mm)をもった拡散反射率計を用いて試験片を拡散照明により照射し、0度の角度で反射光を受光する構造(エルレホ方式)になっています。光源はハロゲンランプまたはキセノンランプを用い、標準白色板は硫酸バリウムを使用します。
この方法は全光束の拡散照明のため、ハンター方式の欠点である、①45度照明のため、紙の表面性、縦・横の影響を受けることや、②蛍光染料などを含む紙は、その影響が測定値に表れず視感白さと一致しないなどの問題点を解消していて、信頼性の高い測定値が得られます。
※積分球:中空になっていて、球の内壁に、反射率が高く完全拡散に近い酸化マグネシウムや硫酸バリウムなどの白色塗料が塗布されているもの。
またこの他、ハンター方式という白色度の測定方式がありますが、古紙の白色度の方は、こちらの「ハンター白色度計」によって測定されています(再生紙利用促進のガイドラインなどの認定基準として、古紙配合率とともに示されているのが、ハンター白色度計で測定された基準値なので)。
ハンターは3色のフィルターと光電池による光電式反射率計で、白色度の標準としては、酸化マグネシウムの反射率を100とし、これと相対比較した紙の白さを%で表示する、という方式で白色度を測定しています。