ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
10-5-1 紙の種類と白色度
紙の種類とその一般的な白色度は、次の通りです。
・紙の種類 :白色度
・重袋用クラフト紙 :45~50%
・新聞用紙 :55%程度
・晒化学パルプ100%使用の上質紙 :約80%
・バージンパルプ100%使用のPPC用紙:80%程度
・古紙配合70%の再生コピー用紙 :70%程度
またパルプの種類と一般的な白色度も参考までに紹介します。
・パルプの品種:白色度
・未漂白パルプ:20~45%
・半晒パルプ :50~75%
・漂白パルプ :85~88%
紙の白色度は、もともとの原料の色ではないので、漂白や、填料・蛍光増白剤を添加することで、製品として必要な白さを実現しています。
例えば、米やセメントなどの包装に用いられる袋には、重袋(じゅうたい)用クラフト紙が使用されています。重量がかかるため、特に強度に重点を置いて品質設計されているため、繊維の長い針葉樹が使用されています。しかも強さを優先するために繊維が必要以上に傷めつけられないよう、漂白しない未晒クラフトパルプを原料に用います。そのため、この紙の色は未晒パルプ特有の茶色となります。
クラフト封筒など、それほど白さが求められない事務用封筒なども、漂白程度の低い茶色系統です。白くするには漂白したり、白色填料を添加したりしますので、その分コストがかかって高価になるからです。
また文字量の多い書籍や辞典には、クリーム色などの用紙が使われています。白色度が低いと、コントラストが弱くなってソフトな印象になり、細かい文字などが読みやすくなります。
これに対し、デパートなどの包装紙は、高級感を持たせ、印刷効果を上げ見栄えなどをよくするために、漂白した晒(さらし)クラフトパルプを原料に使用していますので、その色は白となります。
また写真などの印刷用につかう紙も、インクの色を鮮明に出すため、白色度の高いものが使われます。
ところで上記の「紙の種類と白色度」で、再生紙は白色度70%と、他のパルプから製造される紙の80%より低くなっています。再生紙は古紙からインクを抜くという工程が必要で、漂白にかかるコストと環境への負荷が、どうしてもバージン・パルプよりも高くなりますので、再生紙の普及を図るためにも、紙に必要以上の白さを求めるのをやめようという意識が高まり、70%程度の白色度に抑えられることになったのです。