ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
10-2 紙の表裏
紙は触ってみると「つるつるしている方」と「ざらざらしている方」がある場合があります。これが紙の表(つるつる)と裏(ざらざら)です。ただし、一般的にはつるつるした方が表ですが、美的効果のために皺加工をしている紙もありますので、ざらざらした方が表になる場合もあり、一概には言い切れません……。
ところで手元のコピー用紙を見てみると、目をこらしても表裏に違いがあまり感じられません。実は最近は紙の製造技術が向上して、紙の表裏に違いがなくなってきているので、見た目や手触りでは判断しにくくなっているのです。
10-2-1 紙の表裏ができるわけ
洋紙は、高速に進んでいくワイヤー(網)の上にパルプを流し込んで、その上からフェルトで押さえることで脱水・乾燥して作られます。この脱水時に、短い繊維や填料などが水とともに紙からワイヤーの下へ抜け落ちるため、ワイヤー面側の紙の面は低密度になりますし、規則的に並んだワイヤーの跡もつきます(ワイヤー面側が紙の裏側になる)。このような抄紙機の構造で、紙の表と裏の違いができます。
しかし現在では、洋紙の製造方法も改善を重ねているので、2枚のワイヤーを使って表裏から同時に脱水を行う方法や、数本の鉄ロールを重ねてその間に紙を通し、表面を平滑にするカレンダー掛けをするなど、紙の表裏の状態に差の無いものが多くなっています。
和紙の場合は、紙を漉いた後に干し板(張り板)に張った側が、反対面よりも滑らかな面になります。この滑らかなほうの面が表(おもて)です。