ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
9-3 古紙から紙へ(家庭で製紙する方法)
身近にある紙を使って、誰でも簡単に再生紙を作ることが出来ます。ここでは再生紙の葉書(1枚)の作り方を紹介します。紙漉きの途中で、容器から水がこぼれてしまうことがあるので、水を使うところからは、浴室や台所のシンクで作業した方がいいでしょう。
(1) 材料を集める
・コーティングされていない紙(葉書1枚分の1~2倍の分量)。
・せんたく糊(小さじ一杯分)
(2) 道具を用意する
・大き目の平たい洗面器(木枠がすっかり入る大きさ)
・深めの容器(バケツなど)
・すりこぎ(またはミキサー)
・木枠2個(内側の四角が葉書サイズのもの)
・目の細かい金網(葉書サイズより少し大きめのもの)
・アイロン当て布用の目の細かいナイロンのネット1枚
(葉書サイズより少し大きめのもの)
・アイロン
・アイロン台
・ハンカチ2枚
・新聞紙数日分またはタオル数枚
・雑誌またはカタログ(インク移りのしないものが良い)
(3) 紙漉き用の道具を作る
用意した葉書サイズの2つの木枠の間に、目の細かい金網をはさんで、1辺を蝶つがいで止めておきます(金網は木枠に挟むだけで、接着はしないでください)。
(4) 紙をちぎって水につける
材料の紙を手でできる限り小さくちぎります。必ず手でちぎってください。はさみやシュレッダーで紙を小さく切ってはいけません。刃物で紙を切ると繊維まで細かく切れてしまうので、うまく紙に再生できなくなります。
ちぎった紙は、深めの容器(バケツ)にいれます。容器の3~4割ほどまで水を入れ、紙をよく浸して1時間程度つけておきます。紙がしんなりしたら、すりこぎで紙を叩いて繊維をばらしながら良くかき混ぜます(すりこぎではなく、ミキサーを使って繊維をばらすこともできます。この場合ははじめから容器の6割ほど水を入れておきましょう)。
紙の繊維がばらばらになったら、容器の6割ほどまで水を追加して軽くかきませ、洗濯のりをティースプーン1杯くらい入れて、のりが全体に溶けて混ざるまで、もう一度よくかき混ぜます。
(5) 紙を漉く
洗面器の中に木枠を入れ、さらにその木枠が半分水に浸るような分量の水を入れておきます。そのように準備した木枠の中に、(4)で作った紙のばらばら繊維の液体を、広げるように木枠をゆすりながら流しいれます。流し込んだ紙のばらばら繊維の厚さが均等になったら、ゆっくりと木枠を持ち上げて水を切ります。こぼれ落ちる水が少なくなってきたら、木枠ごと新聞紙(またはタオル)の上にのせてさらによく水を切ります(新聞紙やタオルの吸水力を利用する)。新聞紙は何回か替えながら水を切ってください。
(6) 乾燥して仕上げる
水が切れたら、上の木枠を開いて、紙の繊維の上からナイロンのネットをのせて、木枠からアミごとはずします。アイロン台の上に金網が下になるようにそれを置いたら、ナイロンネットの上からハンカチをあて、中温でアイロンをかけます(ハンカチは吸水力があるので、ナイロンネット二枚だけよりも、うまくアイロンがかけられます)。紙の繊維が平らになってきたら、ひっくり返して金網をゆっくりとはずし、上からハンカチをかぶせて、さらにアイロンをかけます。
ハンカチが乾くくらいまでアイロンをかけたら、ナイロンネットとハンカチをはずして、しばらく冷ませば完成です。冷ますときに、雑誌やカタログの間に挟んでおくと、よれよれにならずに綺麗に仕上げることができます。