ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
10-3-6 紙の簡易水張り
A 簡易水張の方法1(描く前)
前項で紹介した水張の方法だとちょっと面倒だなと感じた方のために、もう少し簡単な方法もご紹介します。A3サイズくらいまでの紙なら、この方法でも問題ありません。
簡易水張の手順は次の通りです(水彩画の場合)。
1 紙が乾いている状態で、水に溶けない鉛筆やペンなどで薄くデッサンをしておきます(デッサンをしない場合は、紙の裏隅に×印で目印をつけておきましょう)。
2 水張テープを4本(紙の上下左右の長さより少し長めに)切っておきます。水張テープは水を使う前に切っておきましょう。水を使ってからテープを触ると、テープの糊が手についてしまいます。
3 紙より一回り大きな板に裏側を上にした紙を載せて、紙の裏側にきれいな水をたっぷり刷毛で塗ります。紙をひっくり返して、表面にも水を塗ります(表にはデッサンが書いてあるので、紙が汚れないよう静かにそっと塗ります)。5分ほど待ちます。
4 紙をひっくり返して、紙の裏側に水を追加で塗ります(刷毛で水を塗るとむらになりやすいので、このように何度も塗ります)。また5分ほど待ちます。
5 紙をひっくり返して、表面を上にした紙を載せて、紙と板の間に空気が残らないように、紙を十分に伸ばします (空気が残っていると、乾いた時に、そこが歪んでしまいます)。
6 紙の四辺をテープで固定します(水張用の紙テープなど)。
7 板を水平状態に置いて、ドライヤーで乾かします。
8 紙が乾いたら、板に載せた状態のまま絵を描きます。完成後、テープに沿ってカッターナイフで切って、絵の部分だけ取り出します。その後、板からテープを剥がします。
B 簡易水張の方法2(描いた後)
水張しないまま描いてしまった場合には、歪みができているかと思います。この紙を真っ直ぐに伸ばして、見た目の良さを多少回復させるためには、プレスをするという方法があります。
描いた面の裏側に水を刷毛で塗り、2枚の板の間に皺にならないように丁寧に挟んだら、その上から重石(数数冊の重い本でも可)を載せて一晩置きます。乾いたら、板の間から絵を取り出します。