ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第1部 実践1基礎編1写真補正
4 写真を補正する
4-12 写真の出力
4-12-4 画像ファイル保存(2)
PSDファイル(補正履歴を残す)
補正した画像はPSDファイルとして保存します。これは、前項目の「(2) 補正後写真(高画質・補正済)PSDファイル(印刷用などに利用)」にあたります。補正作業の履歴を含めて保存するのが良いでしょう。補正完了時だけでなく、補正作業中もこのPSD形式のファイルで保存します。作業中にパソコンが動かなくなるというトラブルは残念ながら皆無ではないので、補正作業中も、区切りのついたところで、こまめに保存する癖をつけましょう。
保存方法としては、
1.上書き保存
2.別名で保存(バージョンセットなし)
3.別名で保存(バージョンセットあり)
の3つがありますが、2または3の方法で保存することをお勧めします。上書き保存だと、オリジナルの写真を補正後の写真で置き換えてしまうことになりかねません。「バージョンセット」の方は、「なし」でも構わないと思いますが、「バージョンセットありで保存」というのは、編集したバージョンとオリジナルの画像をスタックして保存するということです。これをしておくと、フォトブラウザ内で編集後の画像と元画像が重なった状態でスタックされるので、各画像が散らばってしまうことなく、また、編集の過程も一目で確認することができるので、編集作業が効率化するだけでなく、後で確認する時にも役立ちます。
また、このPSDファイルには、色合わせのためのICCプロファイルも保存しておきましょう。
<参考:ICCプロファイルとは>
ICCは、International Color Consortiumの略称で、デジカメやプリンタ、スキャナー、ディスプレイといった機器間で確実な色再現を目指す国際標準化団体です。
ICCプロファイルにはその機器の色に関する特性が記述されており、「デジカメはsRGB/AdobeRGBの色空間をRGBの組み合わせで実現しているが、プリンタはそれをCMYKの4色で再現する」といった、複数機器間で色情報をやりとりする際に利用されます。つまりICCプロファイルは、アプリケーション、プリンタ、モニターの色合わせのために使われる色情報ファイルなのです。2つの機器間で正しく色を伝えるには、機器に左右されない絶対的な色数値(「CIE XYZ」あるいは「CIE Lab」)に値を置き換えてやる必要がありますが、そのために、機器の色に関する特性が記述されているICCプロファイルを利用するのです。
これは印刷業界ではとても重要な情報なのですが、現在はまだ、一般的なPCの画面やプリンタでは活用されていません。またデジタルカメラで撮影した画像にも、通常はICCプロファイルが設定されていません(Exif内にsRGBやAdobe RGBといった色空間の指定がされているだけです)。
この現状から考えると、画像ファイル(PSD)でも、あえて保存しなくても良いのかもしれませんが、このファイル内には、PC上で写真を表示させる時に、できるだけ正しい色として表示させるための環境を保持しておきたいと思いますので、ICCプロファイルも保存しておくことをお勧めします。