ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)

第1部 実践1基礎編1写真補正

4 写真を補正する

4-9 シャドウ、ハイライト、明るさ、コントラストの調整

 写真の自動調整(またはクイック補正)で満足できなかった場合は、調整レイヤーを作成して、写真の明るさ&コントラストの調整を手動で行います。露出不足の写真を明るくしたり、露出過多の写真のディテールを復元したりすることができます。
 写真の補正は、色(カラー)の補正からではなく、まず明るさの補正(画像内のハイライトとシャドウ部分の補正)から始めます。これによって総体的な色調が設定され、画像全体の細部まで可能な限り鮮明にすることができます。
 明るさの補正では、最初に写真全体のトーンやコントラストを調整します。なんだか難しそうに思えるかもしれませんが、この手順の前に行った「自動補正」が、実は、全体のトーンやコントラスト調整ですので、ここではもう一度その結果をよく見てみましょう。すでに期待通りでなかったことが分かっていますが、どこがどう期待通りでないのかを再確認してから、いったん自動補正を破棄して(履歴を戻し)、「レベル補正」のヒストグラムの幅を手動で調整して、写真全体のシャドウ・ハイライトに関してダイナミックレンジを広げるように調整しましょう。
 それでもまだ不満に思える個所があったら、部分的な明るさの調整を行います。「トーンカーブ」や「シャドウ・ハイライト」などの機能を使用して、中間調の明るさやコントラストを調整し、露出アンダーやオーバーの補正をして、明度の調整を行いましょう。

 ※ここで自動補正を破棄して(履歴を戻して)いるのは、「写真の補正処理は一回の処理ごとに写真データを変更してしまう」ので、それを避けるためです。できるだけ写真オリジナルの情報を残しつつ、必要最小限の補正をかけるのが、画像の劣化を最小限に抑えるために必要なのです。写真補正ソフトを使用する場合には、履歴を戻す、レイヤーを利用する(レイヤーについての詳細は後述)などの機能を活用する癖をつけましょう。

 明るさやコントラストの手動調整は、「調整レイヤー」を使って行いましょう。(ない場合は、新規に作成すると、調整レイヤーが、選択されているレイヤーの一つ上に作成されます。)明るさ等の補正は試行錯誤で行うことが多いのですが、補正処理は画像の変更を行ってしまう処理なので、補正に補正を重ねると、どんどん元画像と違ったものになっていってしまいます。こんな時、調整レイヤーを使って補正を行えば、元画像や他のレイヤーのピクセルを変更することなく、補正効果を調整レイヤーとして保持できます。
 ここでの補正は、全体のトーンやコントラストの調整から始めましょう。写真の一番明るい部分と一番暗い部分を「レベル補正」のヒストグラムで確認します。
 ピントが合っているのに、どこかぼやけた印象の写真の場合は、黒の締まりが良くない場合が多いようです。ヒストグラムの山が、真ん中やどこかの端に偏っていないでしょうか。偏っていると感じる時には、ヒストグラムの幅を手動で調整して、山がヒストグラムの幅全体に広がるように、すなわちシャドウ・ハイライトのダイナミックレンジを広げるように調整してみましょう。このようにすると、シャドウからハイライトの情報をより豊かに使うことができるようになるので、黒の締まりがぐっと良くなるはずです。
 それでもまだ不満に思える個所があったら、次に部分的な明るさの調整を行います。「トーンカーブ」や「シャドウ・ハイライト」などの機能を使用して、中間調の明るさやコントラストを調整し、露出アンダーやオーバーの補正をして、明度の調整を行いましょう。
 調整には次のようなツールを使うことができます(各機能の詳細は後述します)。
 (1) レベル補正(ヒストグラム)
 (2) 「画質調整」のライティング・オプション
 (3) 明るさ補正用レタッチツール

 <参考:補正作業中は「プレビュー」と「初期化」を活用しよう>
 明るさやコントラスト、色調の補正中は、ときどき元の写真と比較しながら作業すると失敗が防げます。補正前の写真を確認するには、補正中の「プレビュー」を一時的に「オフ」にします。「オン」「オフ」で比較しながら調整しましょう。
 また補正しているうちにわけがわからなくなってきて、いったん元に戻したくなったら、「初期化」をすると良いでしょう。
 この「プレビュー」と「初期化」は、ほとんどの補正機能の設定画面にありますので、しっかり活用しましょう。

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