ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第1部 実践1基礎編1写真補正
4 写真を補正する
4-9 シャドウ、ハイライト、明るさ、コントラストの調整
4-9-1 レベル補正(ヒストグラム)
レベル補正ダイアログボックスには、ヒストグラムを利用して、明るさや色調、カラーを補正するための様々な機能が用意されています。レベル補正は、画像全体または選択した部分に対して実行することができます。
・カラーを調整
・シャドウ値補正
・中間調補正
・ハイライト値補正
写真の中に「白」または「黒」だったはずの部分がある時には、ワンクリックで補正できる「スポイト機能」を利用すると簡単に補正できます。「レベル補正」のヒストグラムの脇にあるスポイト・ボタンを利用して、明るさだけでなく色調も同時に補正できるのです。
たとえば白のスポイト・ボタン(白色点を設定)をクリックした後で、写真の「白」だったはずの部分をクリックすると、その場所が一番白くなるように調整してくれます。また黒のスポイト・ボタンの場合には、同様に、黒くなるよう調整、灰色のスポイト・ボタンの場合には、その部分が無彩色になるように写真全体を調整してくれるのです。例えば「白い花」や「黒い服」など、あらかじめ色が分かっている場合には、その部分を「白」または「黒」のスポイト・ボタンで調整してみましょう。
なお「スポイト機能」を使う場合には、スポイトツールの色を初期設定のままでなく、少し変更しておいた方が良いでしょう。初期設定だと、黒のスポイトツールは「R・G・B」値が「0・0・0」ですが、「10・10・10」ぐらいに変更しておいた方が安全です。というのは、「0・0・0」のままだと、クリックした部分が完全に「黒とび」状態になってしまうので、少しだけ余裕のある値にしておいた方が良いからです。同様に白のスポイトツールも、「白つぶれ」を避けるために、RGB値の各「255」の部分を「245」程度に変更しましょう。変更方法としては、スポイトツールをダブルクリックすると、それぞれの設定値が表示されますので、そのうちの「R・G・B」値部分を変更します。
写真に「白」「黒」「灰色」のどの色もなかった場合には、この方法は利用できませんので、ヒストグラムや明るさ・コントラストのスライダーを動かすなどの方法で調整しましょう。
<参考:ヒストグラム>
ヒストグラムは、画像を構成するピクセル値の分布を示す棒グラフ、すなわち画像の色や明るさの情報を視覚的に表示したグラフで、通常はデータの分布が山のような形で表示されます。グラフの左側には画像のシャドウの値(最も暗い値はレベル 0(明るさ0%の黒))が表示され、右側にはハイライトの値(最も明るい値はレベル 255(明るさ100%の白))が表示されます。グラフの縦軸は、各レベルのピクセルの総数を示します。
このヒストグラムを使って、画像の色調分布を解析し、補正の必要があるかどうかを確認しながら調整することができます。ヒストグラム調整を使うと、0%の黒を保ちながら全体の明るさを上げることができるので、露出アンダーになった写真を自然に明るくすることができます。山が左側に偏っていて写真が暗すぎると感じる時には、ヒストグラムのシャドウを調整するスライダーを動かして明るくすれば良いのです。
ただしすべての画像をこれで補正できるわけではありません。ヒストグラムの山形が左側や右側に極端に集まっている場合は、純粋な黒または純粋な白のベタ塗りに近い状態になっていて、写真のディテール(細部)がほとんど写っていないことを意味しています。こういう場合には補正が困難なので、残念ながらもう一度写真を撮影し直すか、異なる設定でもう一度写真のスキャンをやり直す必要があります。
なお「自動補正」を使うと、画像の最も明るいピクセルが255に、最も暗いピクセルが0に設定されるという方法で、写真の明るさが自動的に修正されます。