ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)

第1部 実践1基礎編1写真補正

4 写真を補正する

4-10 色調の補正

 写真の自動調整(またはクイック補正)で満足できなかった場合は、調整レイヤーを作成して、写真の色合いの調整(色かぶりの補正、色の置き換え)を手動で行います。この色調の補正は、明るさの補正が終わって、写真全体の色調がはっきりしてから始めます。
 明るさと同じように、色調も「全体」から「部分」の順番で補正します。
 まず全体の「色かぶり」を補正します。色かぶりは、蛍光灯や白熱灯などの照明によって写真のカラーバランスが全体的に崩れている状態です。撮影した時の印象と写真の色イメージが全体に違っていたら、今回もまずPhotoshop Elementsにお任せの「自動補正」の結果をよく見てみましょう。すでに期待通りでなかったことが分かっていますが、どこがどう期待通りでないのかを再確認してから、いったん自動補正を破棄して(履歴を戻し)、「色調補正」の「カラーバランス」機能を使用して全体的な色を調整します。
 そして必要がある場合は、さらに部分的な色の調整をします。植物の緑色だけをもう少し濃く鮮やかにしたいなどの場合には、「色の置き換え」や「色相・彩度」の機能を使用して調整しましょう。

 写真全体の色調を調整する必要があるかどうかは、「人の肌の色」や「白(または灰色)」の部分を見て判断しましょう。人の顔の肌色がきれいに写っていれば、色味の調整は必要ないと思います。そうでない場合は、まず、白い(または灰色)の部分を見て、黄ばんでいたり緑っぽくなっていたり(色かぶり)していないかチェックしましょう。
 この色かぶりは、RGBの数値で見極めることもできます。写真の中で「白(または灰色)」だったはずの部分のRGB値をチェックして、R(赤)とG(緑)とB(青)の数値がだいたい同じなら、色かぶりはあまりしていません。これは無彩色(白~黒)のRGB値は揃っているという特徴を利用したものです。8ビットモードの場合、RGB値が3色とも255なら白、3色とも0なら黒、灰色は3色とも120などの中間値になるはずです。例えば被写体が灰色なのに、写真のRGB値がR=85、G=120、B=90などとなっていれば、Gだけが強く出ている(緑かぶりをしている)ことが分かります。この場合は、「カラーカーブを補正」などの方法で、RGBの3値とも90に近づくよう補正してみましょう。
 さらに本格的に色調整したい場合は、写真を撮影する時に、写真の専門店などで販売されているカラーチャートを使うという方法があります。カラーチャートは24の矩形の色見本が並んだ板(色見本配列表)で、被写体に沿えて一緒に撮影することで、写真の色修正をしやすくするものです。カラーチャートが写真の中に撮影されている場合は、補正する時にカラーチャートを手元に持って、写真に写ったカラーチャートの色と手元のカラーチャートの色とを見比べて、だいたい同じになるように「カラーバランス」や「カラーカーブを補正」などで調整しましょう。カラーチャートは各色のRGB値が公開されているものが多いので、写真画像内のカラーチャートの各色のRGB値が、本来のRGB値にできるだけ近づくように、数値を利用して補正することも出来ます(さきほど「白(または灰色)」で色かぶりを補正したのと、同様の方法です)。
 なお、これらの数値を完全に合わせるのはかなり困難なので、数値だけにこだわらずに、自分の目で見て、満足できる色を探しましょう。
 またカラーチャートを使って本格的に色補正をする場合には、必ずキャリブレーション・ツール等を使用して、液晶画面やプリンタの色調整(カラーマネジメント)を行ってから実行してください。カラーマネジメントのできていない画面やプリンタを利用して色補正を行っても意味がありません。
 とは言っても厳密にカラーマネジメントを行うには、高価な機器やソフトを揃えたり、キャリブレーションを頻繁に実行したりと、デジカメ初心者のペーパークラフト愛好家が行うには費用や手間がかかりすぎますので、あまり難しく考えずに、色調補正は、原則的に「自動補正」を使って、どうしても気になる所をちょっと手動で修正する、という感じに行ってみてはいかがでしょうか。
 これらの色調補正は、「調整レイヤー」を使って行いましょう。(ない場合は新規に作成しましょう。調整レイヤーが、選択されているレイヤーの一つ上に作成されます。)色合いの調整も、明るさ等の補正と同じように試行錯誤で行うことが多いのですが、補正処理は画像の変更を行ってしまう処理なので、補正に補正を重ねると、どんどん元画像と違ったものになっていってしまいます。こんな時、調整レイヤーを使って補正を行えば、元画像や他のレイヤーのピクセルを変更することなく、補正効果を調整レイヤーとして保持できます。
 色合いの調整には次のような方法があります。自分のやりやすい方法を選んで行ってください(各機能の詳細は後述します)。
 ・カラーバランスをとる
 ・「画質調整」「カラー」で「色相・彩度」を調整する
 ・「画質調整」「カラー」で「色の置き換え」をする
 ・「画質調整」「カラー」で「肌色補正」する
 ・画像のバリエーションの比較による色調補正
 ・「画質調整」「カラー」で「カラーカーブを補正」する
 ・色調補正フィルターを使う
 ・色補正用のレタッチツールを使う
 ・モノクロ画像化する(1)グレースケール
 ・モノクロ画像化する(2)白黒画像(2階調)化

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