ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)

第1部 実践1基礎編1写真補正

4 写真を補正する

4-5 ごみの除去

4-5-1 レタッチツールによるごみの除去

 (1) スポット修復ブラシツール
 スポット修復ブラシを使用すると、写真にあるしみやその他の斑点などをすばやく除去できます。
 ペーパークラフトを折った時にできるインク剥がれの白い線を色塗りカバーする時には、これを使用すると、簡単に線の周囲の色で補正できます。修正する範囲は、白い線を完全にカバーできるよう、修正したい個所よりほんの少し大きめに設定し、それに合わせてブラシの大きさも調整して、カバーしたい場所をなぞります。なくしたいゴミが小さくて確認しにくい場合は、ズームツールで表示サイズを拡大して実行しましょう。
 スポット修復ブラシツールでは、ドラッグを終了すると、なぞられた範囲内から、消したい部分をPhotoshop Elementsが推測して消去します。このため消したい部分の全体がなぞられていないと、消去の対象がうまく判定できないことがありますので、なるべく一度のドラッグで、消したい部分全体をなぞるようにしましょう。
 なお、ゴミを除去した部分に重ねるパッチは、次の3種類から選べますが、迷う場合は、まず「コンテンツに応じる」を選んで修復してみましょう。
 ・近似色に合わせる:選択範囲の周囲のピクセルを使用して、選択範囲に重ねるパッチとして使用する画像領域を決定します。
 ・テクスチャを作成:選択範囲内のすべてのピクセルから作成したテクスチャで修復します。
 ・コンテンツに応じる:選択範囲内から消す対象や背景を自動的に認識して消去します。

 (2) 修復ブラシツール
 大きなしみを除去したい場合は、修復ブラシツールを利用します。修復ブラシでしみのある部分を大きくドラッグすると、その部分が補正されます。この機能を使用すると、均一な背景からオブジェクトを除去することができます(草原の中にあるオブジェクトなど)。
 コピースタンプツールでも同じような操作を行えますが、修復ブラシツールでは、修復場所が周囲の色となじむよう自動調整されますので、より自然にゴミなどを除去することが出来ます(ドラッグしている途中では、微妙な消し跡が目立つことがあっても、ドラッグを終了すると、自然になじむように自動調整されます)。
 修復ブラシツールのオプションバーの「調整あり」をオンにすると、コピー元と修復先の相対的位置関係が保たれるようになります。キズなどを消すときは、これを利用するのが一般的です。なお、修復ブラシツールで修正している途中で、コピー元を変更したくなった場合は、「Alt」を押しながら新たなコピー元部分をクリックすると、変更できます。

 (3) コピースタンプツール
 画像の特定の場所をコピーして、別の場所に描画するツールです。作品の背景に使っている布の一部に皺やシミがある場合などに、皺のない場所の画像をコピーして貼り付けることで、皺を除去することが出来ます。
 実際には次のような手順で行うと、自然な感じに皺を除去できるでしょう。
 まず、コピースタンプツールで背景布のうち皺になっていない部分をクリックします。次に、大きめのブラシサイズで、大雑把に皺の部分に被せます。最後に仕上げとして、スポイトで背景布の修復した部分に近いところの布の色を取ります。ブラシツールの不透明度を低くして、コピースタンプしたところを軽く塗り、自然な感じなじませます。これで大きな皺も取り除けます。
 また、コピースタンプツールはゴミの除去だけでなく、コピー描画ツールとしても、もちろん便利に使えます。オブジェクトを複製して、あたかも同じものが並んでいるように見せる場合にも利用できるのです。たとえばTシャツの胸についている小さなワンポイント模様があったら、それをコピーして、ワンポイント模様を横一列に並べた柄模様に変えてみるなどということが簡単にできます。

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