ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第1部 実践1基礎編1写真補正
4 写真を補正する
4-1 写真の入力
4-1-2 スキャナーからの入力
写真をスキャナーから入力することもできます。(この場合の「写真」は、もちろんデジタル画像の写真のことではなく、紙に印刷された写真を意味しています。)
解像度は、フルカラーの場合、写真の原寸で350dpi以上で行いましょう。解像度は、一般的に高い程、綺麗な画像が得られます。ただし解像度が高くなると、画像のファイルサイズが大きくなりすぎる、処理に時間がかかりすぎるようになるという問題も発生するので、目的に合わせて適当な解像度を設定した方が良いでしょう。
フルカラーの場合に、一般的に適当と言われる解像度は次の通りです。
・写真をL版で印刷する場合:150dpi ~ 350dpi
・印刷会社に印刷を依頼する場合:350dpi ~ 1200dpi
なおこの解像度は、元写真のサイズと印刷したいサイズとの関係で決める必要があります。元の写真のサイズが、印刷したい大きさ以上ある場合は、350 dpi以上に設定すれば良いのですが、元の写真のサイズが、印刷したい大きさの半分の大きさしかない場合には、2倍にした時に350 dpi 以上になるように、700dpi以上でスキャンしてください。また写真がフルカラーではなくグレースケール(白黒)の場合は、解像度は350 dpi ではなく600dpi以上でスキャンしましょう。
スキャンした画像は、いったんファイルに保存しましょう(保存ファイルの形式に迷う場合は、写真としては一般的なJPEGで保存するのが良いでしょう)。
そしてそのファイルを改めてPhotoshop Elementsで開きます。これ以降の作業は「ファイルからの入力」と同じになりますので、そちらを参照してください。
<参考:元写真のサイズとスキャンの解像度>
元写真が小さかったり、解像度が低かったりする場合には、スキャンの解像度を必要以上にあげても逆効果になる場合があります。というのは、元写真にそれだけの解像度がない場合、スキャナーまたはPCが、数値上の高い解像度を作り出すために元画像のピクセルを勝手に補間してしまうため、かえって画像が荒れてしまう場合があるからです。
それではスキャンの解像度をどの程度の値で抑えるか、についてはスキャナー、プリンタ、パソコンの技術が向上し続けているので、いちがいには言えませんが、家庭用なら1200 dpiくらいまでで十分だと思います。
ところで印刷に適当といわれる解像度は、フルカラーの場合、350 dpi~ですので、スキャン対象の写真の大きさが、印刷したいサイズの1/3より大きいなら、スキャンしても十分な品質が出せますが、それより小さいサイズの写真の場合は、画像に荒れが目立ってきてしまうので、写真を撮影し直すか、大きいサイズの写真を選び直すなどの対策が必要になります。
最近の家庭用スキャナーは性能がかなり向上して、3200dpiなどの「入力解像度」を持つようになりました。しかもこのスキャナーで実際にスキャンしようとすると、解像度設定画面で12800dpiなどの大きな値が表示されることがあり、この値まで解像度の設定が可能なのでは?と思いがちですが、このような高い解像度でスキャンすると、実際のスキャナーの入力解像度は3200dpiしかないのに、読み取り能力以上の解像度をだそうとするので、スキャナーやスキャニング・ソフトが不足している部分のピクセルの穴埋めを「補完処理」で無理に補おうとしてしまいます。結果としてかえって画像が荒れてしまうことがあるので、注意が必要です。家庭用のスキャナーでスキャンする場合には、必要以上の解像度を設定しないようにしましょう。