ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)
4-7 スローシンクロ
夜間にカメラの「自動」「ストロボ自動」モードをそのまま使っていると、人物はきれいに写るのですが、背景の夜景がとても暗くしか映らなくなり、きれいな夜景も撮りたかったのに……と残念な思いをすることがあります。
一般のコンパクトカメラの「ストロボ自動」モードでは、周囲が暗くてシャッタースピードが1/30秒より遅くなるとカメラが判断した時に、ストロボを発光させます。この1/30秒というのは、手ブレが発生しやすくなると考えられている時間です。そのため通常のストロボ撮影を行う場合は、シャッタースピードは手ブレの起きにくい1/60秒とか1/125秒に設定されます。でも、これではシャッタースピードが速すぎて、背景が真っ暗になってしまうのです(背景まではストロボの光は届かないので、背景が光量不足になります)。
人物と夜景の両方をきれいに撮りたい場合は、「スローシンクロ」を使います。スローシンクロとは、通常のストロボ撮影よりシャッタースピードを遅くさせ、それにストロボを同期させて発光させることです。カメラのこの機能を使うと、シャッタースピードは、背景もきちんと写る程度に遅い1/30秒や1/15秒に設定され(場合によっては、もっと遅い場合もあります)、同時に通常よりも弱めにストロボを発光させて撮影してくれます。
これを使うと被写体も背景の夜景もきれいに撮れますが、シャッタースピードが遅くなりますので、手ブレが起こらないようカメラをしっかり保持して撮影しましょう(手ブレ補正があるカメラは「オン」にしてください)。
とは言っても実際には多少の手ブレが発生しても、スローシンクロを使えば、被写体はきれいに撮れます。その理由は、ストロボの光があたるのはストロボの射程距離内にあるもの(被写体)だけで、その発光時間がごく短時間だからです。つまりイメージとしては、被写体は早いシャッタースピード(ストロボ発光時間)で撮影され、背景は長いシャッタースピード(スローシンクロでのシャッタースピード時間)で撮影されるという感じになります(もちろん実際には被写体も背景も同じシャッタースピードで撮影されるので、ストロボは通常より弱く発光する必要があります)。
なおこの機能はデジタル一眼レフではもちろんのこと、コンパクトカメラでもプログラムモード等で使用できるものがあります。カメラの使用説明書を読んでみてください。