ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)

第4部 画像データと印刷の基礎知識

4 画像データのカラーマネジメント(色合わせ)

4-3 色の再現

4-3-1 色の再現方法

 人間の眼に入った光は、網膜の視細胞で電気信号に変換され、脳で色が判別されます。網膜には波長570nm(黄橙)、540nm(黄緑)、430nm(青紫)に感度ピークがある三種類の視細胞(L錐体、M錐体、S錐体)があります。人間はこれらの視細胞で感じる光量で色を識別しているので、それらを混ぜ合わせることで色々な色を感じることができます。
 色の再現方法には「加法混色」「減法混色」の二種類があります。
 パソコンのディスプレイやデジカメは、赤(R)レッド、緑(G)グリーン、青(B)ブルーの「光の三原色」を組み合わせて色を表現し、すべてを混ぜると白になる「加法混色(RGB)」と言う色の再現方法をとっています。
 RGBは、人間が認識できる色(人間の視覚)を基準としていて、CMYKよりも色空間が広いという特徴があります(赤緑青のRGBは視細胞の感度のピークの波長の色とは少し違いますが、より多くの色が表現できるのです)。
 このRGB色空間に関する規格としては、主に「sRGB (standard RGB)」と「AdobeRGB」の2種類があります。
 これに対して、印刷機(プリンタ)は、黄(Y)イエロー、深紅色(M)マゼンダ、藍(C)シアンの「色の三原色」を組み合わせて色を表現し、すべてを混ぜると黒になる「減法混色(CMYK)」と言う色の再現方法をとっています。
 色の見え方は、自分が光を発している場合と、光が当たって反射している場合は違います。光が反射して見えている色は、実は、光を反射しているものが反射光の補色を吸収しているので、補色とは反対側の色が見えているのです。絵の具やインクの混色は、色を混ぜるとどんどん光が吸収されて暗くなっていくので、「減法混色(CMYK)」と呼ぶのです。
 CMYKは、オフセット印刷のインクの色を基準としていて、RGBよりは色空間が狭いという特徴があります。
 原理的には、このC、M、Yの3色で黒色も表現できるのですが、完全な黒色にすることが難しいことと、使われることの多い黒色を出すために三色のインクを同時に使用することがインクの使用量を増やすことになってしまうため、普通のプリンタはもう一色、黒色用のブラック(K)インクを搭載しています。このため減法混色はCMYではなくCMYKと呼ばれることが多いのです。なおブラックにBではなくK(またはBK)が使われているのは、RGBのB(ブルー)と区別をつけるためです。

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