ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第4部 画像データと印刷の基礎知識
第4部では、画像データと印刷についての基礎知識を紹介します。特に知らなくても写真の撮影や印刷は出来ますが、より上達するためには、これらの知識があった方が良いと思います。ちょっとメンドクサイ話ばかりなのですが……(汗)。
1 画像データの種類
1-1 ビットマップ画像とベクトル画像
PhotoshopやIllustratorといった画像処理ソフトウェアで扱うデジタル画像には、大きく分けてビットマップ画像とベクトル画像があります。
(1) ビットマップ画像
ビットマップ画像は、画素(ピクセル)を格子状に並べることで画像を構成しており、ラスター画像とも呼ばれています。非常に細かい点描画のような画像をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。このビットマップ画像は、カラーの階調を表現するのに適していて、写真などの画像に利用されています。
一つ一つのピクセルには色や輝度の情報が含まれていて、写真補正ツールなどの画像エディタは、このピクセルを操作することで画像を様々に変化させています。ビットマップ画像は、ピクセルで画像を構成しているので、拡大や縮小などの編集を行う場合、推論や補間が行われます。またパソコンのディスプレイ上での表示やプリンタでの印刷も、ビットマップ画像の解像度によって変わってきます。
<参考:ピクセルの補完方法>
画像拡大(縮小)時に不足(圧縮)するピクセルの補完方法として、Photoshopには次の3種類がありますが、ほとんどの場合は「バイキュービック法」を選択すれば良いでしょう。
・バイキュービック法(周りのピクセルの色や濃度に基づいて補完する最も精度の高い補完方法。拡大する時は「滑らか」を、縮小する時は「シャープ」を選択すると良好な結果をうまくいくことが多い)
・ニアレストネイバー法(ピクセルをそのまま複製する方法)
・バイリニア法(周囲のピクセルを平均して補完するだけなので、バイキュービック法ほど精度は高くないが、処理速度は速い)
(2) ベクトル画像
ベクトル画像は、ピクセルではなく、ベジェという数式に基づいたオブジェクト(直線やベジェ曲線、テキストなど)によって画像を表現しています。これは主にIllustratorなどの描画ソフトウェアで利用されているもので、ビットマップ画像と違って解像度に依存しないため、最終的な使用目的に応じて、画像の解像度を設定して出力します。
ベクトル画像は拡大・縮小などの編集が容易で、任意の解像度のビットマップ画像へも変換可能です。(ベクトル画像をビットマップ画像化(ラスタライズ)するのは、逆(ビットマップ画像のベクトル画像化)よりずっと容易です。)
このベクトル画像は、Photoshopでもシェイプなどで利用していて、Photoshopでは1枚の画像の中で、ピクセル画像とベクトル画像の両方を利用することが出来ます。
これら二種のデジタル画像データのうち、イラストなどの画像はベクトル画像やビットマップ画像で表現されていることが多いのですが、デジタルカメラで撮影した写真は、通常、ほとんどビットマップ画像で表現されています。