ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)

第4部 画像データと印刷の基礎知識

1 画像データの種類

1-3 画像ファイルの種類(1)
  代表的画像ファイル(JPEG他)

 デジカメで撮影した画像データの1点は、それぞれ「モノクロ」なら白と黒の2色、「フルカラー」なら一般的に1677万7216色が表現できます。1画素あたりのデータ量は、モノクロは1ビット(2の1乗=2)ですが、フルカラーだと24ビット(2の24乗=16,777,216)が必要になってしまいます。つまりフルカラーの点を1つ1つ記録した1200万画素(4000×3000ドット)のデジカメ写真だと、実に、1200万×3バイトで、約34MB(メガバイト)と、巨大なデータサイズになってしまうのです。
 でも実際には、普通の写真1枚のデータ容量は、だいたい1枚2~5MB程度になっています。これはJPEG形式で、「圧縮」されているからなのです。
 ところで画像ファイルにJPEGやGIFなどの種類があることは、「.jpg」や「.gif」といった拡張子(ファイル名末尾の文字)でご存知の方が多いと思います。実は、画像ファイルは形式によって対応する色数や圧縮方法が異なっているのです。
 代表的な画像ファイルの形式はJPEGで、この形式はほとんどの画像ソフトが対応しているので、普通に画像を鑑賞するだけなら一番扱いやすいと思います。ただしJPEGファイルは、写真画像加工ソフトなどで保存をするたびに、画像から、省略しても目立たない部分を間引いてデータに「圧縮」をかけるので、画像が劣化するという特徴があります。圧縮には、データが小さくて済むという利点と、画像がやや劣化するという欠点の両方があります。圧縮方式には「可逆」と「不可逆(非可逆)」があり、JPEGのは「不可逆」です。「可逆圧縮」は元データを損なわない方法で、圧縮・展開しても画像が全く変化(劣化)しません。対して「不可逆圧縮」は圧縮により画質が劣化してしまう方法で、データを間引くことで圧縮率を高めます。

 写真用に使用される主な画像ファイル(静止画)の形式と特徴は次の通りです。用途で使い分けてください。画像データをどの形式で保存したら良いか迷う場合には、最も一般的なJPEGが良いでしょう。
 また、JPEGはいろいろなソフトで使用可能な画像形式なので、TIFなどの他の形式の画像ファイルをJPEGにしたくなる場合がよくあります。この場合は、Windowsに標準装備の「ペイント」などの画像編集ソフトでTIFなどの画像をいったん開いてから、ファイルの種類をJPEGにして「名前を付けて保存」すると、画像がJPEG形式で保存されます。

(1) JPEG(ジェイペグ)、拡張子=*.jpg/*.jpeg
 デジカメ写真などで標準的な形式。画像を比較的きれいに、効率良く保存できます。インターネットでもよく利用される形式です。フルカラー対応。不可逆圧縮して保存するため画像が劣化します(圧縮率は調整できます)。これは具体的には、輪郭がボケたりノイズが発生して画像が汚くなることで、少しぐらいそういう劣化があっても気にならない「自然画」、つまり写真に使われています。

(2) BMP(ビーエムピー)、拡張子=*.bmp
 Windowsの標準で互換性に優れています。フルカラー対応。基本的に非圧縮なので、画像は劣化しませんが、データサイズがとても大きくなってしまいます。

(3) TIFF(ティフ)、拡張子=*.tif/*.tiff
 非圧縮と可逆圧縮・不可逆圧縮すべてに対応。複数画像を1つのTIFFファイルに格納できるなどの特徴をもち、様々な画像ソフトでも使われていますが、JPEGやBMPほど一般的ではありません。画像は劣化しませんが、データサイズがとても大きくなってしまいます。

(4) RAW(ロウ)、拡張子=*.NEF他(※拡張子はメーカーによって異なります)
 一部の高性能デジカメが採用している画像形式。JPEGやTIFFはデジタルカメラ内部で色や明るさを調整した上で圧縮した画像データなのですが、このRAWだけは調整前の「生」の画像データで、RAW現像ソフトで色や明るさを調整しても画質の変化がほとんどないのが特徴です。画像は劣化しませんが、データサイズがとても大きくなってしまいます。また専用ソフトでしか開けず、互換性がないという問題もあります。

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