ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第4部 画像データと印刷の基礎知識
4 画像データのカラーマネジメント(色合わせ)
4-2 プリンタとディスプレイの色
プリンタでデジカメの写真を印刷した時に、パソコンのディスプレイで見ていた時と印象が違ったことはありませんか?
ディスプレイとプリンタで色が微妙に違うということは、よくあることです。というよりも、現時点では正確に一致するほうが難しいことなのです。それは主に次のような理由からです。
(1) 光の状態で色の見え方が違う。
ノートの白いページが、蛍光灯では白く、白熱灯ではオレンジ色っぽく見えるように、太陽光や蛍光灯、白熱灯など、その時の光の色温度で、色は違って見えます。
(2) ディスプレイとプリンタでは、色の再現方法が違う。
ディスプレイは「光の三原色」で、プリンタは「色の三原色」を利用しています。
(3) ディスプレイやプリンタの機器ごとに、色の再現方法が違う。
現在は、機器ごとに固有の色を持っていて、厳密な統一はされていません。
(4) 各機器に個体差がある。
色を物理的に表現するための部品自体にも個体差があるので、同じ製品でも再現できる色が微妙に違ってしまいます。また機器の経年変化(劣化)によって色が変わってくることもあります。
(5) ディスプレイなどは各個人で見やすい色に設定している。
ディスプレイなどは画面が明るすぎて目が痛くなるなどの問題があるので、各個人が好みの明るさ・色合いになるように設定できるようになっています。プリンタの色も個人の好みで設定可能です。
このような理由から「色は機器ごとに違っている」ものだと思った方が良いでしょう。
実はディスプレイとプリンタの違いだけでなく、ディスプレイとディスプレイ、プリンタとプリンタも違います。例えば誕生パーティのケーキの写真をデジカメで撮影して、参加者にメールで写真データを配布した場合、Aさんのディスプレイに映るケーキの色と、Bさんのディスプレイに映るケーキの色は微妙に違っているはずです。家電量販店で並べて展示しているTVの色が少しずつ違うように、パソコンのディスプレイでも、同じ画像が微妙に違ってしまうのです。それでもケーキの赤い苺が青色に見えるほど違ったりはしていません。少しオレンジっぽい赤だったり、ピンクっぽい赤だったりの違いがある程度で、「赤」ではあります。というわけで厳密に一致はしていなくても、現実的には困らない程度の違いだと思います。