ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)

7-2 ウィンタースポーツの撮影

 スキーやスノーボードなどの撮影は、基本的には運動会と同じです。あらかじめゲレンデのコースを確認し、「シャッタースピードを上げる」「連写機能を使う」「置きピン」などのスポーツ撮影テクニックを駆使しましょう。
 ただしウィンタースポーツの場合は、これに「雪の反射」「気温の低さ」「降雪」「白一色の背景」など、運動会よりも撮影を難しくする条件が加わるので、その点に注意する必要があります。

(1) 他の人の邪魔にならないよう撮影する
 ウィンタースポーツの撮影は、たいていゲレンデ内で行うことになりますので、撮影する前には必ず周りを見渡し、他のスキーヤーやボーダーの邪魔にならないか確認してください。できるだけコースの脇など安全な場所で手早く撮影しましょう。スキーヤーやボーダーはとても高速で滑ってきますので、思わぬ事故を招くおそれがあります。

(2) 滑降する姿を撮影する時は、被写体と打ち合わせしておく
 スキーやスノーボードというのは、徒競走とは段違いのスピードが出ます。上級者が滑っているところを撮影するには、遠くから望遠を使うしかない場合もあります(近くだと危険だったり、滑っている姿自体を捕捉できなかったりします)。事前に撮影ポイントを二人で決めて、そこでスピードを緩めつつ格好良く滑ってもらいましょう。
 撮影する場所は、スピードが適度に出るゲレンデの中腹付近で、ゲレンデの幅が広くなる(他の人の邪魔にならずに、被写体が他のスキーヤーの姿と重なりにくい)所で、しかも角度が少し緩やかになる(スキーヤーがスピードとスタイルをコントロールしやすい)場所が適切だと思います。
 邪魔にならない場所に安定した姿勢で立つことが出来たら、カメラを高感度「ISO400~800」、「スポーツモード」または「シャッタースピード優先モード」など速いシャッタースピードになるように設定して、「連写」機能もつけます。(ゲレンデが明るすぎる晴天の場合は、ISO感度はオートにしましょう。)
 そして被写体が来る前に、撮影ポイントで滑っている他のプレイヤーを利用してピントを半押しして待ちます(置きピン)。
 被写体が滑ってきたら、まだちょっと早いかなと思うタイミングでシャッターを切ります。スキーやスノーボードはすごく速いので、ちょっとでも遅れるとファインダーから外れてしまうからです。連写の時間を設定できるカメラでは、長めの時間に設定しましょう。
 連写だと写真枚数が多くなりますので、「ベストショット」のみを残してもいいのですが、余裕があるなら全部を残しておきたいものです。ウィンタースポーツは毎日できるわけでもなく、撮影もとても難しいので、良い記念になるだけでなく、フォームなどをチェックするときの参考になるでしょう。

(3) 晴天のゲレンデではストロボを使う
 ゲレンデで撮影した写真の人物の顔が意外に暗くなってしまった、などの失敗をしたことはありませんか? 雪の反射は見た目以上に強く、どこでも「逆光レフ板」状態が発生する可能性があります。こういう時には、ストロボ強制発光の「日中シンクロ」を利用すると、失敗を少なくできます。まぶしいほどに明るいと感じる晴天のゲレンデでは、ストロボを強制発光にして撮影しましょう。

(4) 露出をプラス補正する
 ゲレンデで撮影すると、構図の中で「白」が占める部分がどうしても多くなってしまうので、雪の部分がグレーに写りがちです。これはデジタルカメラが、自動設定で「普通の色&明るさの写真」を目指す設計になっているからです。白一色とか黒一色などの偏った色の多い構図の場合、カメラは「周囲の環境が明るすぎる(または暗すぎる)ので、色が偏っているのだろう」と判断して、白や黒を「普通のグレー」になるように自動調整する傾向を持っています。この設計のおかげで、たいていの場合、失敗のない良い写真を撮ることができるのですが、ゲレンデで撮影した写真を見ると、「なんだかくすんだ感じだな、もっときれいな白だったはずなのに……」と思うことになります。
 これを避けるためには、露出をプラス補正してやると良いでしょう。明るさ補正(露出補正)を使い、+(プラス)1.0~1.6程度を目安に補正して撮影してください。

(5) ホワイトバランスを変えて、雪の色をイメージ通りに変える
 構図の中で白が多くなるゲレンデでは、ホワイトバランスを変えることで、雰囲気の異なる世界を演出できます。
 寒さやシャープさを強調したい時は、ホワイトバランスを「電球(白熱灯)」に設定しましょう。画面全体が青みを帯びて、ひんやりしたイメージになります。
 彼女とのツーショットを撮影する時には、ホワイトバランスを「蛍光灯」に設定しましょう。画面全体が赤みを帯びて、暖かくほんわかした感じを演出できます。

(6) 冬景色を撮影する
 雪をかぶった樹木や白い雪原に落ちるリフトの藍色の影など、冬景色も撮影しておきましょう。アルバムにするときにアクセントとして利用できます。
 ポートレイト撮影する時には、粉雪を小道具として使ってみると面白い写真になります。ふわっと宙に舞いあげた粉雪を見上げるようにして、冬ならではのポートレイトに挑戦してみましょう。すこし下から撮影して雪を逆光気味に撮影すると、よりいっそうキラキラ感がでます。

(7) ブラシを持っていく
 雪が降る寒い日には、小さなブラシを持っていると、レンズにかかる雪をはらうことが出来て便利です。寒い日にカメラに降りそそいでくる雪を息で吹き払おうとすると、息がレンズ表面で凍りつくことがあるからです。ブロワーやカメラブラシが最も良いのですが、ポケットに入れるにはちょっと大きいので、レンズを傷つけない小さな柔らかいブラシやレンズペンを一本持っていくと良いでしょう。

(8) カメラクリップを持っていく
 ゲレンデでみんなと一緒に写すためには、三脚があるのが一番ですが、三脚は大きくてかさばるし、スキーやスノーボードなどの道具もあるので、なかなか持っていけませんよね。こういう時は、カメラ用を固定するカメラクリップ(カメラホルダー)を一個持っていくと、雪に突き刺したストックなどに固定して三脚がわりに出来るのでとても便利です。

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