ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)

2-2 参考:カチンコ

 カチンコ(英語:clapperboard)は映画の撮影用の道具で、音の鳴る拍子木部分と情報を書き込むボード部分から出来ています。カチンコの名前は、拍子木を鳴らしたときの「カッチン!」という音に由来します。
 ボード部分には、次のような項目を書き込みます。
(1) 製作タイトル:タイトル名
(2) シーン:台本上のシーン番号
(3) カット:カット番号
(4) テイク:同カットの何テイク目か
(5) 監督:監督名
(6) 撮影監督:撮影監督名
(7) ロール:クランクインから使用したフィルムロールの通し番号
(8) 日付:撮影日
(9) 昼、夜、早朝:シーン上の時間帯
(10) セット、野外ロケ:撮影場所の屋内外の区別

 カチンコを使う目的は2つあります。
 目的の1つは、編集前のフィルムで撮影内容の確認を容易にするためで、ボードにシーン番号などを記入し、それを撮影して使用します。ボード部分に記載される「シーン番号-カット番号-テイク番号」は、「シーン1-カット1-テイク1」ならば「1-1-1」と書かれることもあります。この場合、同テイクがNGの場合は再度撮影が行われ、その際には「テイク2」となるので「1-1-2」と記載されます。
 もう1つの目的は、映像と音声の同期を取るためです。映画用のカメラ(ムービーカメラ)は、一般に映像の撮影のみを行い、音声の録音は行わないので、現場の音を同時録音しておく場合には、映像フィルムと録音テープを編集の際に一致させる必要があります。そこで、撮影開始の際に、カチンコを撮影して、拍子木を打つ映像と音を撮影・録音しておくことで、一致させる手がかりとするのです。音声のみでも尺が判断できるように、スタート時は一回、カット時には二回打たれるのが一般的です。
 ただし現在では、同時録音ができるビデオカメラなどの機材が増えているため、映画撮影現場のすべてでカチンコが使用されているわけではありません。でもシーン番号やカット番号の記録は同時録音の有無とは関係なく重要なので、撮影現場でカチンコそのものが使われないとしても、スケッチブックにサインペンなどで「シーン番号-カット番号-テイク番号」を記したものを撮影するということは今でも行われています。

スポンサードリンク