ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)

第6部 基礎知識編(3)ライティング

 写真を撮るには、カメラやレンズを正しく使うことももちろん大切ですが、もう一つ重要な要素がライティングです。特にペーパークラフト作品などの立体物を室内で撮影する場合、光の当てかたで写真のイメージはだいぶ違ってきます。
 ここでは写真を撮るための最も大切な要素、光と影の扱いについて紹介します。

1 光の色と色温度

1-1 光の色

 写真を写すには、光が必要です。
 光は電波と同じく電磁波と呼ばれるものの一種で、波長380nm(ナノメートル)から780nmの電磁波が、目に見える光として知られています(なお1nmは、100万分の1㎜です)。この可視光線のうち、380~500nmぐらいの範囲は青い光、500~600nmぐらいは緑、600~780nmぐらいは赤い光として大きく分類され(実際には、波長が380nmから780nmへと次第に長くなっていくにつれ、光の色は、紫-青紫-青-青緑-緑-黄緑-黄色-橙色-赤へと境目なく徐々に変化していきます)、可視光線より波長の短いものが紫外線、波長の長いものを赤外線と呼ばれています。
 可視光線がすべて混じり合っている光を白光といって、人の目には色は感じられません。この白色をした光線をプリズムに入れると、光が空気中からプリズムに入るときに屈折現象が起こり、光の進路が少し曲がります。この曲がり方が光の波長によって少しずつ違っているために、一筋の白色光は、色のついた光となって広がります。一筋の白色光が、さまざまな色に分かれていくので、これを分光(ぶんこう)と言います。
 光が屈折する度合いのことを屈折率と言って、波長が短くなるほど大きくなります。雨上がりの晴天の空にときどき現れる美しい虹は、大気中の細かい水滴がプリズムとなって太陽の光を分光しているので見えています。光の屈折率の違いによって、虹のアーチの一番外側の色は赤で、内側は紫になります。
 白色光はこのようにさまざまな波長の光の集まりです。そして一見白く見える光でも、種類によって、その中に含まれている色の成分が違う、ということがあります。例えば、蛍光灯と電球の光は、含まれる色の成分が違います。電球の光の方が、黄色から赤にかけての成分が多いのです。つまり赤っぽい色をしたものは、電球で照らした方が、より色鮮やかに見えるので、おいしそうに見えます。これに対して蛍光灯は緑色が多いので、植物の緑をより美しく見せることが出来るのです。
 ところでデジカメは、昼間の自然光(太陽光)に応じた感色性を持っています。自然光は蛍光灯や白熱灯とはまた微妙に違う色の成分を持っていますので、人工の光に照らされた状況では、正しい光は得にくいということになります。

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