ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
5-2 和紙
5-2-1 代表的な和紙
和紙とはコウゾなどを原料に日本で発達した特有の紙の総称で、手漉き和紙と機械抄き和紙があります。
(1) 楮紙(こうぞし)
クワ科の植物「楮(こうぞ)」から作られる和紙。楮は和紙に最もよく使用される繊維です。繊維は太くて長くて、表面が荒い感じになります。すき上がった紙は強度に優れ、美しく、しなやかなので、障子紙、公文書、版画紙、書道など多くの用途に使われます。
(2) 雁皮紙(がんぴし)
ジンチョウゲ科の植物「雁皮(がんぴ)」から作られる和紙。雁皮の繊維は虫害に強く、耐久性に優れています。また繊維は細くて短いので、薄くてなめらかな書きやすい紙ができます。主な用途は、印刷、エッチング、日本画、写経などです。
(3) 三椏紙(みつまたし)
ジンチョウゲ科の植物「三椏(みつまた)」から作られる和紙。繊維は細くて短く、薄くて滑らかで丈夫で、吸水性に優れ、豊かな光沢がある紙ができます。主な用途は、紙幣、印刷、エッチング、はがき、装飾で、工芸、製本などです。
(4) 雲竜紙(うんりゅうし)
繊維の一部を太くして、模様のように見せたもの。光に透かすと風合いが生きるので、照明などに使われる他、コラージユ(はり絵、ちぎり絵)、カードやラッピングなどによく使用されます。
(5) 柿渋紙(かきしぶし)
和紙に柿渋をつけたもの。紙の表面に薄くつければ色付けに、濃くつければ柿渋(タンニン)の効果で丈夫になり、防水にもなります。染物の型紙などに使われています。
(6) 奉書紙(ほうしょし)
室町末期(十六世紀)から武家用、さらに公家用として愛用された、楮を原料とした純白の和紙。昔の儀式用紙であるところからこの名がつけられました。紙肌のきめが細かくて軟らかく、しかも強靭で厚みもあるので、浮世絵版画にもよく使われていました。