ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
3-2 非木材パルプ
植物などの非木材パルプは、木材パルプに比べて一般に繊維が長く、白色度が低めです。この長くて強靭な繊維を生かして、和紙や薄手の特殊紙に利用されることが多いのですが、木材パルプに比べて、原料の収穫や出荷が効率的でなく、大規模な製造もされていないため、一般に木材パルプよりも高価となっています。
(1) 主に洋紙の原料となる植物
植物の繊維であればどんなものでも紙になりますが、木材以外で主に使われているのは、わら、竹(バンブー)、サトウキビ(バガス)、リンター(綿の実に付着する短毛)などです。最近注目されているのがハイビスカスの仲間のケナフ(アオイ科の一年草)という、アフリカや東南アジアに自生している植物で、茎を利用します。品種改良が進み、新しい製紙原料として、すでに製品化された紙が市販されていますので、文房具店で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
(2) 主に和紙の原料となる植物
和紙の原料として使われているのは、主にコウゾ、ミツマタ、ガンピといった植物で、樹皮が紙の原料として使われています。その他にアサ、イネ、タケ、ササなども利用されています。栽培が比較的容易なコウゾは和紙の主原料として、ミツマタは日本紙幣の原料として混ぜられています。これらの植物が使われている理由は、次の通りです。
・繊維が長くて強靭なので、できあがった紙が強くて使いやすい
・繊維に光沢があるので、できあがった紙がきれいで使いやすい
・繊維にねばりけがあるので、繊維同士がからみやすい
・繊維がたくさん取れる
・コウゾやミツマタは、栽培ができるなど原料の入手が容易