ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

3-1 木材パルプ

 木材パルプは木材を原料とするパルプです。これは、木材チップ(幹の樹皮を取り除いた木材を2~3cmの大きさに砕いたもの)から製造されます。木材パルプは製法によって、機械パルプと化学パルプに大別されます。また漂白の有無で晒パルプと未晒パルプに分ける場合もあります。
 木材チップは国内産もありますが、海外から輸入されるものの方が多く、主に製紙原料用に植林されたユーカリやアカシアなどから作られています。また木材チップの原料には、その他に、製材時の残材を利用したり、枝や間伐材を使用するなど、木材の有効利用も行われています。紙として使う木材は、細かく砕いて原料(チップ)にするので、丸太を製材に加工する際にできる端切れ木材(残材)などでも構わないのです。
 木材パルプの原料にはもともとマツ・スギなどの針葉樹が使われていましたが、日本では1960年代からカシやシイ、ユーカリなどの広葉樹も使われるようになり、現在では広葉樹の方が多くなっています。
 針葉樹の繊維は広葉樹の繊維より太くて長いので、強い紙を製造することが出来ます。このため針葉樹は、強度が求められる新聞巻取紙や紙袋、封筒、飲料用紙パックなどの原料として使われています。ただ針葉樹は、成長が遅い、生育地域が限定されるなどの要因があるために、現在では広葉樹の方が多く使われるようになっているのです。また広葉樹は繊維が針葉樹に比べて短いので、平滑性が良いという特性があります。これらの要因から、現在の印刷・情報用紙の多くは、広葉樹が主原料になっています。


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