ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
3-3 古紙パルプ
すでに用紙になった紙(古紙)からインキなどを脱墨し、再パルプ化したものです。
原料の古紙を水に溶解し、機械的な力や薬品を利用して、紙繊維以外の異物(金属、フィルム、印刷インキ、コピートナーなど)を分離・除去します。さらに用途に応じて白さを高めるよう漂白処理等を加えてから、脱水・乾燥して製造します。
ところで「紙のリサイクル」というのは、読み終わった雑誌などの古紙をもう一度ばらばらにして水に入れてかき回して脱水乾燥して紙シートに再生してまた雑誌にして……を繰り返していくわけですが、いったいどこまで繰り返せるの?と疑問に感じたことはありませんか。
実は、紙は水に戻せば繊維として再生できますが、古紙の繊維はどんどん劣化していくので、再生するたびに新しいパルプを加える必要があります。製紙工場ではバージンパルプと古紙を水の中で撹拌して、余分な水を脱水乾燥して再生紙を製造しますが、その過程で、劣化しすぎて短くなった古紙の繊維は、紙として利用されない落水の中に残されます。このようにして古紙繊維は三回から五回で自然に淘汰されていくので、再生紙もきちんと紙の質と強度を保てるのです。
またこの落水の方もただ捨てられるわけではありません。元は木材繊維だったものの濁り水ですから、水を絞って、工場内の電力用の燃料として使用されます。さらにその燃えカスになった灰も、セメントの原料などに使われていくのです。
古紙パルプは、古紙の回収量や種類によって、その供給能力や品質・価格などが大きく左右されます。また環境に優しいイメージがありますが、実際には、再処理の過程で環境的な負荷(脱墨に薬剤を使用したり、エネルギーを余計に使ったりすること)は避けられないので、より適切な古紙の回収や処理(白さを求めすぎないなど)が今後も必要になるでしょう。