ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

5-1-5 代表的な洋紙(12)段ボール、(13)特殊な紙

(12) 段ボール
 段ボールとは厚紙を多層構造にすることで強靭にし、包装資材などに使用できるように加工した板状の紙製品のことを言います。素材としての段ボールシートのほか、段ボール箱などを指すこともあります。段ボールは、大きな分類では「紙」ではなく「板紙」になります。
 一般的な形としては、波状に加工した紙を表裏の紙で挟んで接着することで、強度を持たせた構造をしています。頑丈にするために更に多層に加工したものや、逆に、波状の紙を片面だけに接着した片面段ボールもあります。
 段ボールは軽くて丈夫、大量生産が可能なので値段も安く、印刷したり、切断したり、自由自在に加工できます。また耐久性にもすぐれていますので、積み重ねることもできます。
 段ボールを箱に加工した段ボール箱は、軽量なのに丈夫で、外部の衝撃から中のものを守る緩衝性があり、機密性もある上に、何度も折りたたんでは組み立てられるという利便性から、宅配便、引越し等の運送業、また貯蔵の分野で欠かせない梱包材となりました。
 かなりの耐久性がありますので、段ボールシートを加工して家具などに使用することもあります。また通常、不透明な素材でできているので、プライバシーを守る衝立や小屋として、地震などの避難所で使用されることもあります(災害用簡易トイレも作られています)。
 使い終わった段ボールは、新しい段ボールの原料としてリサイクルされています。段ボールは昔からリサイクルシステムが整っていて、回収率は7割を超えています。また植物素材のパルプで製造されていますので、万一捨てられても土中で分解され土に戻ります。

(13) 特殊な紙
・裏カーボン紙(上の紙の裏側にワックスで溶かした黒インキを印刷)
・ノンカーボン紙(紙の裏側に油で溶かしたロイコ染料をマイクロカプセルに閉じ込めたものを塗った紙)
・感熱紙(ロイコ染料と発色剤を混ぜた塗料を熱で溶ける樹脂とともに紙に塗ったもの)
・陶紙(陶土を大量に含む紙で、炉で焼き上げると陶器ができる)
・難燃紙(水酸化アルミニウムを多く含んだ紙。水酸化アルミニウムは高温になると分解して水を放出する)
・硫酸紙(硫酸で繊維をやや溶かして繊維間の隙間を埋め、透明度を高くした紙。トレーシングペーパーなどに利用される)
・果実袋用紙(透過させたい光だけを通す紙。袋の色を使い分ける)


スポンサードリンク