ちょき☆ぱたん デジタルカメラの豆知識 (chokipatan.com)

3-3 シャッタースピードの変化による表現

 シャッタースピードを変化させることで、適正露出を得ることだけでなく、ブレによる変化感を活かすことができます。
 たとえば噴水の写真を撮る場合には、シャッタースピードを限界まで速くすることで、水の一滴一滴が跳ね上がって静止しているかのような躍動感のある不思議な写真が撮影できます。逆にシャッタースピードを遅くすると、水の軌跡が線のようになって、噴水の水がまるできれいな白い刺繍糸の束でできているかのような写真になります。同じように、星の軌跡が美しい円を描く天文写真も、数時間という長いシャッタースピードで撮影されています。
 シャッターが開いている間、被写体の動きに合わせてカメラを振るという方法で、被写体は止まって見えるのに背景だけがぶれている写真を撮ることも出来ます。これは「流し撮り」という手法で、高速で走る新幹線やレーシングカーなどの疾走感を出すのに使われます。新幹線はくっきり見えるのに、背景の鉄橋は流れ去っていく……というかなり難しい手法です。夕暮れ時の電車を撮影したいのに、暗くてシャッタースピードが遅くなりすぎて、どうしてもブレてしまう……という場合には、駄目でもともとなので、この難しい手法にチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。
 また動かない被写体でも、シャッタースピードを長くすることで面白い写真を撮ることが出来ます。レンズの方を動かしてやるのです。動かない被写体にピントを合わせて、ズームレンズをズーミングします。こうすることで画面に拡大していく被写体の光の放射線状の軌跡を描けます。これは「露光間ズーミング」という手法です。ズームレンジを持っている方は、簡単に出来ますので、一度やってみてください。

スポンサードリンク