ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第3部 実践2写真補正のコツ編
3 写真の配置と合成のコツ
3-4 明るい写真と暗い写真の合成
露出差の大きい暗い部分と明るい部分が同じ画面の中にある場合、暗い部分は露出が不足して黒つぶれしたり、明るい部分は露出オーバーで白とびしたりという失敗をしがちです。こんな時には、写真補正技術を使って、構図の同じ二枚の写真の良い部分を合わせて、一枚の写真に合成することができます。
例えば暗くなりかけた曇天の高層ビル街の写真で、一枚は空に露出があっているので、夕方の空の雲と夕日が美しいのに高層ビルはほとんどシルエット状態、二枚目はビル街に露出があっているので、高層ビルの窓ガラスやレンガ色の壁はきれいに見えるものの空の方は雲が白っぽく飛んでしまって平坦になっている、という写真があったら、二枚の良い部分だけを切り取って合成すれば良いのです。
もしも使っているPhotoshop Elementsに「Photomerge Exposure」という機能があれば、それを利用することで、露出に問題のある2 枚の写真を合成して適切な露出の写真を作ることができます。
もしも使っているPhotoshop Elementsが古いバージョンで、この機能がない場合は、自分でこの補正を行います。
具体的には、まず二枚を新規レイヤーにそれぞれコピーした後、ビルの縁で空と高層ビルとを各々切り抜き、良い方だけを使って二枚を合成します。それから合成が自然に見えるよう、不透明度を90%に落すなどして微調整し、その後、「トーンカーブ」と「カラーバランス」を使って、全体的な明度とカラーの最終的な調整を行います。最後にレイヤーを統合して「フィルター」「アンシャープマスク」でシャープを調整します。
このように露出の取り方が難しい被写体を撮影する場合には、同じ構図で露出を変えて複数枚撮影しておくと、写真補正・合成技術を利用して思い通りの作品に仕上げることができる場合がありますので、難しい撮影状況・被写体だと感じた場合には、とにかくいろんなモードや露出で撮影しておきましょう。