ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第3部 実践2写真補正のコツ編
3 写真の配置と合成のコツ
Photoshop Elements では、複数の写真を使って合成写真を作ることが簡単にできます。写真を切り抜いて貼りあわせると、「いかにも合成写真です」といった感じになりがちですが、Photoshop Elementsを使うと、自然な感じに合成できます。
合成写真の作成の具体的な方法について紹介する前に、なじませ方のコツについて紹介します。
(1) 補正&加工する部品をレイヤー分けする
風景に人物を合成するなどの場合には、風景と人物をそれぞれのレイヤーに分けましょう。
大きな部品だけでなく、小さな部品も、レイヤー分けした方が作業を効率化できる場合があります。例えば透明な宝石のついた金の指輪などは、透明な宝石部分と金属部分を分けた方が、それぞれの特色を活かした補正や加工処理が楽にできます。(具体的には、宝石だけの選択範囲と金属だけの選択範囲を作って、それぞれを別のレイヤーにのせてから加工処理を行います)。
(2) 境界線をなじませる
合成した部分の境界線がくっきりしていると不自然に見える場合があります。選択範囲で0.5~1pixel程度、境界線をぼかすと他の部分になじむようになります。金属や陶器などの硬いものの境界線は、あまり大きくぼかさないほうがうまくいきます。
(3) 不透明度を下げる
はめこみ画像や模様の貼り付けなどの場合は、合成した部分の不透明度を少し下げると、より自然な感じになることがあります。
(4) テクスチャ感をつける
合成した部分だけ、他の部分とテクスチャ感が違っているために、不自然に見える場合があります。「フィルター」機能や「描画モード」「レイヤーモード」などの機能を駆使して、合成した部分に他の部分となじむテクスチャをつけてあげましょう。
(5) ノイズを加える
写真の一部が平面的すぎて不自然な時には、ノイズを加えてみるのも良いでしょう。例えば商品写真などで、切り抜いた商品に、単色で着色しただけの無地の背景をつけると、なんとなく平坦でつまらない印象になってしまうことがありますが、こういう時には、無地の背景にノイズを加えると、少し複雑な印象が加わって、簡単に写真のイメージをグレードアップすることが出来ます。お試しください。
(6) 光の当たり方を想定する
合成する部分と背景の部分の光の当たり方がばらばらだと、とても不自然に見えてしまいます。合成対象の各写真が撮影された時の光の方向をよく観察して、全体が同じ(方向からの)光を浴びているように合成しましょう。「描画フィルター」「照明効果」などを利用すると、光の方向を調整できます。なお、元写真の光が強すぎてうまくいかない場合は、元写真のレイヤーにレベル補正をかけてハイライトを弱めてあげると、うまくいくことがあります。
(7) 背景の遠近感を想定する
例えば、モデルの女性が実際に銀座の街角に立っていたかのように、女性と銀座街角風景の二枚の写真を合成する場合には、女性にピントが合っていたら、背景の風景はどの程度ぼけるのかをよく考えて、背景の遠近感を調整しましょう。