ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)
第2部 実践1基礎編2加工処理
1 レイヤー
1-1 レイヤーとは
加工処理の紹介を行う前に、写真に積み重ねてかぶせることの出来る透明フィルムのような「レイヤー」について解説します。元写真に直接加工をしてしまうと、写真をもとに戻すことが出来なくなってしまいますので、画像をペイントしたり文字や図形を描いたりするような加工を行う場合は、この「レイヤー」を使用して行いましょう。(もっともPhotoshop Elementsでは、文字や図形を描こうとすると自動的にレイヤーが出来ますので、あまり気にしなくても構わないかもしれませんが……)
レイヤーは、レイヤーパネルのメニューで「新規レイヤー」を選択することで新規作成できます。また画像のコピー&ペーストを行ったり、文字列を入力したり、シェイプ(図形)を作成したり、調整レイヤーを作成した場合には、自動的に作成されます。何か処理をする時には、自動的にレイヤーが作成されたかどうかをまずチェックして、作成されなかった時には、必要に応じて新規レイヤーを作成しましょう。
レイヤーはかなりの枚数を重ねることが出来、重なったレイヤーの透明部分からは、下のレイヤーが透けて見えます。レイヤーには不透明度を設定することが出来るので、上のレイヤーの不透明度が100%の場合は、下のレイヤーは見えなくなります(0%の場合は、下のレイヤーだけが見えます)。また各レイヤーを自由に表示したり非表示にしたりも出来ます。
各レイヤーは個別に処理することができるので、様々な効果を試すことができて、とても便利に使えます。例えば友人三人の写真に漫画のようなふきだしを入れて、「卒業おめでとう」「元気で頑張れ」「また会おう」などと書き込みたい場合に、実際の写真に書き込んでしまうと、文字の下の部分が見えなくなったり、書き込みを消せなくなったりしますが、レイヤーを使うと、写真に重ねた透明フィルムに文字を書き込んでいるようなイメージで、不要になったら文字を消す(透明フィルム上の文字を消すイメージ)ことも出来ますし、一時的に文字を取り去って(透明フィルムを剥がすイメージ)元の写真に戻すことも、文字ごと透明フィルムを破棄することも出来ます。
また他の写真から、今の写真に写っていない他の友人の部分を切り抜いてコピーしてきて、今加工している友人三人の写真の横に貼り付けて合成するようなことも、レイヤーを使えば自由自在に行えます。
このレイヤーは何層も重ねることが出来ますし、重なり順を変えることも簡単に出来ます。また変更削除も容易なので、色々な効果を簡単に試すことが出来ます。
このようにレイヤーはとても便利な機能で、これを使うことで、複数の写真を合成したり、「謹賀新年」などの文字を写真に配置したりという作業をとても効率的に行うことが出来ます。
複数のレイヤー上の複数のオブジェクを同時に選択して移動したい場合は、シフトキーを押しながらクリックすることで選択できます。また複数選択したレイヤーをリンクさせることでも、レイヤー上にあるオブジェクトを同時に移動したりさせることが出来ます。
レイヤーは、個別に書き込み等の処理ができますが、必要な場合には何枚かのレイヤーをまとめて一枚に統合してしまうことも出来ます。画像内に複数のレイヤーを追加すると、その画像のファイルサイズがそれだけ大きくなるので、編集が終了したレイヤーを結合し、ファイルサイズを小さくすることができるのです。