ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)
2-2-3 写真用インクジェット用紙(印画紙、キャストコート)
作りたいペーパークラフトの種類によっては、写真用のインクジェット紙が使える場合もあります。写真用のインクジェット紙は、発色が美しく、紙も厚めでコシのあるものが多いので、うまく使用できれば、すばらしい作品に仕上がります。
とはいっても、写真用のインクジェット紙には、たいてい他に比べて厚めのコート層がありますので、接着強度に問題があります。
特に印画紙ベースの用紙などは、フィルムコート層があるため、接着自体が困難です。しかもペーパークラフトで使用するには少し硬すぎるので、折り目をつけてもきれいに折れません(もとに戻ろうとする復元力があり、折れたままでいてくれないことがあります)。と、いろいろ問題はありますが、印画紙ベースの写真用紙には、とても高級感があるんですよね……できれば使ってみたいものです。
写真用紙はこの印画紙ベースのものが多いですが、キャスト紙ベースのものもあり、こちらは接着剤が使用できますので、ペーパークラフトに使える可能性は印画紙より高いです。ただし接着強度にはやはり問題があります。キャスト紙ベースの写真用インクジェット用紙は、「超光沢」のインクジェット用紙(コート層がとても厚い)と考えていいので、美しい出来上がりが期待できますが、接着しにくい、折りにくい、折り目に粉が出る、などの欠点もあることを考慮して使用してください。
写真用紙には、いろいろなサイズのものが売られていますので、自分の作りたい作品に合わせて選びましょう。一般販売されている主なサイズは(L、2L、KG、六切、四切、半切、A4、A3、A5、A6、B4、B5、ハガキ)です。
また「印画紙」と「キャスト紙」の違いについて、以下に紹介しますので、紙を選ぶ際の参考にして下さい。
(1) 印画紙
印画紙とは、平滑性のきわめて高い、表裏レジンコート(RC)した写真の印画紙の基紙に、インクジェットコーティングした用紙です。一般に売られている写真画質の紙は、この印画紙ベースのものが多いです。ベース紙の両面にフィルムコートがあるため、水を吸わないので、インクの水分でも伸縮しません。この用紙を使えば、家庭用のインクジェット・プリンタで印刷しても、写真屋さんの写真に近い美しい光沢感が得られます。
(2) キャスト紙ベース
キャスト紙とは印刷用の超光沢紙にインクジェット加工した用紙です。この光沢紙は、印画紙と比べてベース紙が水分を吸収するため、印画紙ベースの光沢紙に比べて画質はわずかに落ちますが、木工用ボンドは使えます(接着強度には問題がありますが)。
印画紙に比べて薄手のものが多く、値段も安めですが、種類が少なく一般の市場では入手しにくいという欠点があります。コクヨやキヤノンが販売しているものにキャスト紙ベースのものがありますので、使ってみてください。
※キャスト紙は、塗料が乾く前に、塗工した面を金属面に押し当てて乾燥させることでお化粧面を仕上げた紙です。