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第1部 本

ユーモア

いい感じの石ころを拾いに(宮田珠己)

『いい感じの石ころを拾いに』2014/5/23
宮田 珠己 (著)


(感想)
 北海道から離島まで、ただただ海辺にしゃがみこんで「いい感じの石ころ」を拾いつづけた面白紀行エッセイです。
 表紙の写真を見ても分かるように、高価そうな石は一つもありません。ただなんとなく綺麗な感じがするとか、手触りがぐっとくるとか、そんな石ころを拾いに日本中を旅してまわった紀行文集。ちなみに表紙の石ころは、石ころの聖地「津軽」で同行者の武田氏が拾ったものだとか。どれをとっても、ぐっときます(笑)。というのも、私自身もけっこう「石ころ」が好きだから。小学生のころデパートでアンモナイトの化石を売っているのを見て、すごく欲しいと思い、高価で買えなかったけど心に残ってしまった……そのせいか化石・石ころ・貝殻などが好きになりました。理科や地学が好きなせいかもしれません。
 きれいなカラー写真を見て、うわー、こんな石ころ、凄く拾いたい☆ と思いましたが……石ころは重いんですよね……だから本当に集め始めるとけっこう地獄になると思います(汗)。でも海岸に腰を下ろすと、やっぱり綺麗な貝殻とか石とかに目がとまります。そして、いい感じの貝殻を見つけると、嬉しくなって拾ってしまいます。貝殻は軽いし(笑)。
 でもある日、100円ショップに行った時に、透明な筒に綺麗な貝殻がぎっしり詰め込まれているものが売られていて、「おお!」と衝動的に凄く欲しくなり、同時に「ああ……(100円でこんなに……)」とがっかりした衝撃体験から、貝殻への複雑な思いが芽生えました(涙)。
 まあ、そんな悲しい過去はともかく、この本は石ころや貝殻への想いを再び思い出させてくれる本でした。「東京ミネラルショー」なんてのが、開催されているんですね。そこで宮田さんが購入された石の数々のカラー写真、あまりにも素敵過ぎて、じっくり眺めてしまいました。こんなものが買えるなんて……絶対行っちゃダメだ、と自戒しました(笑)。でも「見るだけ」と心に誓って、クレジットカードも大金も持たずに行ってみようかな……(そわそわ)。
 さて、この本には、「いい感じの石」の写真がたくさん掲載されていて、それを見るだけでも心が躍り、癒されます。(「東京ミネラルショー」で購入された石の他には、高価そうな石はほとんど載っていませんが……。)ただ一部が白黒写真だったので、できれば、全部をカラー写真で見たかったな、と少し残念に思いました。
「いい感じの石」には、美しい風景を眺めながら探す楽しみ、それをお土産に持ち帰る楽しみ、眺めて飾って握ってみる楽しみ、さらに研磨したり、台をつけたり、付属品をつけてジオラマとして楽しんだりなど、色々な楽しみ方があるんですね。
 宮田さんたちが、たくさんの素晴らしく「いい感じ」の石を拾った津軽の綱不知海岸、小泊の青岩には、いつか「錦石」を拾いに行ってみたいなーと思わされました。
 この本は、「いい感じ」の石を写真でたくさん眺めることが出来るだけでなく、石拾いスポットのMAPも掲載されているので、石が好きな方には特にお勧めします(なお、宝石の話はとくにありませんので、宝石好きの方にはあまりお勧めしません)。
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 宮田さんの他の本、『東南アジア四次元日記』、『なみのひとなみのいとなみ』、『おかしなジパング図版帖』、『だいたい四国八十八ヶ所』、『四次元温泉日記』、『日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。』、『日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編』、『私なりに絶景 ニッポンわがまま観光記』、『東京近郊スペクタクルさんぽ』、『無脊椎水族館』、『ニッポン47都道府県正直観光案内』に関する記事もごらんください。

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