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第1部 本
ユーモア
日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。(宮田珠己)
『日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。』2015/7/8
宮田 珠己 (著)
(感想)
「ザンテイ世界遺産(世界遺産の登録候補となっている国内各地)」をめぐる、ゆるーい旅の記録です。
いざ世界遺産に登録されたら人気が出て混むし、いまのうちに先取りしてしまえ、 という名目ではじめられた全12か所の国内旅行記。世界遺産候補とはいえ、宮田さんらしい笑えるポイントも盛り込まれている上に、観光情報も満載という楽しい観光ガイド。旅行した場所は次の通りです。
・バラエティ豊かな佐渡めぐり
・異文化交流の地、福井 小浜めぐり
・自然と人の叡知の複合遺産 熊本 阿蘇めぐり
・古墳グルメ目当てのぶらり旅 百舌鳥・古市古墳群めぐり
・「負の遺産」と「知の遺産」の今。栃木 足尾銅山・足利学校めぐり
・この丈夫な橋が、城下町繁栄の礎でした 岩国 錦帯橋めぐり
・古今融合の城下町、石川 金沢めぐり
・敬虔なニッポンに出会う旅、長崎 教会群めぐり
・誰もが考古学者になれる旅、北東北 縄文遺跡群めぐり
・まさに秘境・魔境というにふさわしい、奄美大島の自然遺産めぐり
・牛に引かれて、城に惹かれて 長野 善光寺・松本城めぐり
・世界も注目、日本が誇る巡礼ロード 現在進行形の四国お遍路
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2018年11月現在、一部、世界遺産に登録済のもありますが、大部分はまだ登録されていません。でも、どれも魅力的な観光地です。行ったことのある場所も数か所ありましたが、宮田さんの目からは、あれが、こう見えたのか……と、ちょっぴり新鮮に感じました。
例えば、「岩国 錦帯橋」。表紙の写真はこの橋を下から撮影したものです。橋の下を流れる水も周囲の自然も美しく、とても見応えのある素晴らしい橋でした。でも、岩国市観光振興課の方が「錦帯橋以外は素通りされてしまうんです」と嘆くように……私自身にも「岩国=錦帯橋」のイメージがあり、宮田さんたちと同じように、橋(と岩国城)を見学した後は、岩国市ではなく柳井市の金魚ちょうちんを見に行きました。柳井は「柳井=金魚ちょうちん(ユーモラスですごく可愛いです)」のイメージでしたが、白壁と格子窓の古い町並みも素敵だったのでお勧めです。(なお宮田さんたちは、岩国市でローカル鉄道・錦川清流線などにも乗ったようです。)
その他、「百舌鳥・古市古墳群めぐり」や、「奄美大島の自然遺産めぐり」もすごく楽しそう☆ 「奄美大島の自然遺産めぐり」の写真では、モダマという巨大蔓植物に圧倒されました。一メートルのさやの中に、五から十センチぐらいの豆が十個ぐらい入っているって……ジュラシック・パークの世界みたい……日本は亜寒帯から亜熱帯まで、いろんな気候の場所がある本当に素敵な国ですね!
ただ、少し残念だったのは、豊富にのっている写真がすべて白黒だったこと。カラー写真だったら、もっと良かったのに……。
まあ、それはともかく、この旅に同行した写真家のユリカメラさん。「彼氏募集中なんで、もし私のことを書くことがあったら、彼氏できそうな感じで書いてください」と宮田さんにリクエストしたそうですが、その結果……。
「彼女は色白でキュートなので募集しなくても彼氏なんかいくらでもできそうである。あ、いや、それだけでなく、まなざしは知的で物腰は穏やかで、声はかわいいわ、料理はうまいわ、仕事はできるわ貯金はあるわ……」
…………なるほど~。そういうリクエストを受けたら、こんな風に書けばいいのか(笑)。すごく勉強になるなあ……(笑)。
今回の旅行記は、地元の観光課の方に案内されることが多かったせいか、いつもの旅行記よりも真面目成分多めでしたので、ひょっとしたら少し勉強にもなるかもしれない楽しい旅行記です。ぜひ読んでください☆
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宮田さんの他の本、『東南アジア四次元日記』、『なみのひとなみのいとなみ』、『おかしなジパング図版帖』、『だいたい四国八十八ヶ所』、『いい感じの石ころを拾いに』、『四次元温泉日記』、『日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編』、『私なりに絶景 ニッポンわがまま観光記』、『東京近郊スペクタクルさんぽ』、『無脊椎水族館』、『ニッポン47都道府県正直観光案内』に関する記事もごらんください。
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