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第1部 本

文学(絵本・児童文学・小説)

絵本・児童書(日本・池田あきこ)

北欧へ行こう―ダヤンのスケッチ紀行

『北欧へ行こう―ダヤンのスケッチ紀行 (中公文庫) 』2010/5
池田 あきこ (著)


(感想)
 池田あきこさんの北欧(フィンランド、ノルウェーなど北欧4カ国)でのスケッチ紀行です☆ これは、絵本や児童書ではありませんが、イラスト満載の本なので、ここで紹介させていただきます。
 どうして北欧を旅することになったかというと、「わちふぃーるどって北欧っぽい」と多くの人に言われてきたからそうです。池田さんは、長編物語の最終巻(舞台は終わりのない冬)に入ろうとしていたところで、気分を盛り上げるために、「そうだ、北欧へ行こう! 行くなら今だ!」と(笑)。
 ……そうですよね、わちふぃーるどって、北欧のイメージがあります。はじめてダヤンがわちふぃーるどに入った時、冬のお祭をやっていましたが、その背景となる雪の街や森には、なんとなく北欧の街や森の雰囲気をあてはめて読んでいました。実は北欧には行ったこともないのに……(汗)。でもそれは、私だけではなかったのですね。
 だから池田さんは冬の北欧に行き、そして長編を完結させた後、「夏の北欧が見たい。白夜が見たい!」と、六月の終わりにふたたび北欧を訪れました。本の中では、夏、冬の順番になっていますが、実際には冬、夏の順番で訪れたようです。
 本で最初に紹介されるのは、白夜のフィンランド(夏の旅)。ヘルシンキからバスに二時間ちょっと乗って、ヘイノラの街の友人宅へ。そして南カレリアの湖水地方をバイクでツーリングします☆ その後は列車でヨーエンスへ。移りゆく森の景色を楽しみながら無人駅で降りると……予約していたホテルからの迎えがきていない!
 電話すると迎えに来てくれたのは、なんと、ホテルのお客さん(笑)。このホテルはお客さん使いの荒いホテルのようで、この後、池田さん自身も買い物を頼まれたりもしています。でものんきで楽しいホテルの人と一緒に、サウナに入った後に湖に飛び込んだり、サイクリングしたり、ボートを漕いだりと……いつものように白夜のフィンランドを満喫したようです☆
 そして冬の旅。ノルウェーの森でツリーを切り出すのを見て、サンタクロースにも会いに行き、電車と船でフィヨルド幻想の旅。クリスマス市を楽しんだり、クッキーを焼いたり、トナカイそりに乗ったり……美しい自然や人々の暮らし、物語やレシピなどをカラーのイラストで紹介してくれます。(今回の旅は、妹さんと二人でのドライブ旅行ではなく、列車やガイド付きの旅が多くてホッとしました(笑)。冬の雪道をなめてはいけません、命にかかわりますから。)
 旅の最後の宿に選んだのは、ステーンスゴー・ヘーレゴーという威風堂々としたお屋敷のマナーハウス。幽霊話があるというこの大邸宅で、ちょっと不気味なクリスマス飾りを眺め、本格的ディナーをいただきます。
 ところで今回の紀行のイラストは、いつもよりかなりタッチが荒い感じがしましたが、今回は『その場描き』にこだわって描いたそうで、池田さんの旅行中のスケッチブックを、そのまま見せてもらったような感じです。旅の「勢い」が感じられますね☆
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 池田あきこさんの他の本、『ダヤンのタロットカード』、『ダヤンから256のおめでとう』、『ポップアップ絵本 ダヤンのたんじょうび』、『ダヤンのめいろ』、『ダヤンの塗り絵』、『ダヤンの絵本づくり絵本』に関する記事もごらんください。
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