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第1部 本
科学
完全図解 周期表(ニュートン別冊)
『完全図解 周期表 (ニュートン別冊)』2017/7/25
(感想)
元素と周期表について豊富なイラストで分かりやすく解説してくれる本です。
しかも大きな周期表ポスターが特別付録としてついています(もちろんこの周期表には、新元素「ニホニウム」も掲載されています)。これを部屋に貼ると部屋の理系度がぐっとあがりそう(笑)。この最新の周期表ポスターだけでも価値があるのに、さすが『ニュートン別冊』、フルカラーの大きなイラストで、元素についてさまざまな角度から解説してくれます。元素について、あらためて復習することが出来て、すごく勉強になりました。
さて、2015年の年末に、周期表の113番目の元素について、日本の理化学研究所のグループが「発見(人工合成)」したことが認められたことは記憶に新しいと思います。日本初の命名となったその新元素の名前は「ニホニウム」。西欧以外のグループが命名権を獲得したのも初めてなのだそうです。凄いことですね。この本の先頭記事がこの「ニホニウム」の発見なので、その詳細を知ることが出来ます。……といっても、実はこの「ニホニウム」の寿命は、わずか1000分の2秒ほどだそうで……えええ? そんなに短くて何の役に立つの? どうやって存在が分かったの? と頭の中に疑問が渦巻きました。
自然界に安定して存在している元素は、原子番号92のウランまでの92種類だそうで、それ以降は人工合成のようです。「ニホニウム」は、亜鉛とビスマスを強力なビーム発生装置や加速器で衝突させて合成させたようですが、合成された粒子の洪水の中から113番元素を選別するのもすごく大変! この記事を読んで、元素のことをいろいろ知ることが出来ました。こういう新しい元素の発見は、直接私たちの生活に役に立たなくても、「科学の地平を切り開く」意味があるそうです。確かにその通りですね☆
元素の安定性を決めるメカニズムは完全に解明されてはいないようですが、理論上、安定性が高くなると予測されている元素があるそうです。そのカギとなるのは「魔法数」。魔法数とは、原子核が特別に安定となる陽子や中性子の数のことで、一般的には2,8、20、28、50、82などが魔法数とされているそうです。
また「電子が存在する場所には決まりがある」という記事では、電子が存在する層状の領域「電子殻」について詳しい解説があり、これも、すごく興味深く読ませていただきました。
さらにロシアの化学者メンデレーエフによって、1869年に発表された最初の周期表も見ることができて、この周期表(の空欄)で今後発見されると予測された元素が、しだいに発見されていき、元素の性質が明らかにされていった歴史的な経緯も知ることが出来ます。
「元素」について、本当に総合的に知ることが出来る素晴らしい本でした。最後には、「全118元素徹底紹介」として、すべての元素の基礎データの他、性質や利用のされ方などを知ることが出来る資料集もあります。まさに『完全図解 周期表』の名前にふさわしい大満足な科学本でした。最新の周期表ポスターだけでも価値があると思います。(その後、2018年11月に新版のNewton別冊『完全図解 元素と周期表 新装版』が出ましたので、購入する場合は、こちらの方がいいかもしれません。また『周期表下敷き A4 宇宙 113元素決定号』というものもあります。)
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Newton別冊の他の本『錯視完全図解―脳はなぜだまされるのか?』、『錯視と錯覚の科学』、『筋肉と技の科学知識』、『地震研究の最前線』、『くすりの科学知識』、『人体 完全ガイド』、『脳のしくみ』、『ゼロからわかる人工知能 仕事編』に関する記事もごらんください。
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なお社会や脳科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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