ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
動く&錯視錯覚の本
錯視錯覚技法
タイリング描法の基本テクニック
『タイリング描法の基本テクニック―エッシャーの技法で不思議な絵を描く』2009/10
杉原 厚吉 (著)
(感想)
エッシャーの絵で有名な「タイリング」の描き方について、数理工学的に教えてくれる本です。エッシャーのタイリング画というと、水面の下の魚の群れが、上に移動するについれて、大空で編隊飛行する鳥へと変貌していく『空と水』などの作品を思い浮かべるかもしれませんが、この本には、そのような変貌(モーフィング)についての描き方説明はありません。モーフィングのあるタイリング描法については、杉原さんの『だまし絵の描き方入門』に解説がありますので、ごく一般的な人が、ごく一般的に思い浮かべるエッシャーのタイリング描法について知りたい場合は、この本よりも『だまし絵の描き方入門』の方が、わかりやすいと思います(汗)。
この『タイリング描法の基本テクニック』は、タイリング描法だけに的を絞って、より数理的に詳しく解説してくれる本です。一見複雑な形に見えるタイルが、たった一種類だけで、平面を埋め尽くす……この本は、そういう不思議なタイルの作り方を教えてくれます。
まず、第1章「タイルを変形してみよう」と第2章「タイルを平面に並べてみよう」で、タイリングの基本技術を学びます。次に、第3章「長方形」、第4章「正方形」、第5章「六角形」、第6章「ひし形」をそれぞれ初期タイリングに使った描法についての解説があり、最後に、第7章「タイリングをより豊かにする技」として、補足的技術の説明がある、という構成になっています。
数理工学的な立場から解説している本ですが、幸い(?)なことに、数式はほとんどなく、多数のイラストで説明されているので、数学が苦手な人にも分かりやすいと思います。
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杉原厚吉さんの他の本『トリック迷路』、『だまし絵の描き方入門』、『だまし絵のトリック』、『わかっていても騙される 錯覚クイズ』、『へんな立体』、『超ふしぎ体験! 立体トリックアート工作』についての記事もごらんください。
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杉原厚吉さんは、他にも多数の本をだしていますが、ここではちょっぴり数理工学的な本を中心に紹介したいと思います。まずは、だまし絵関連の本として、『エッシャー・マジック―だまし絵の世界を数理で読み解く』、『だまし絵と線形代数』、数学が苦手な人が(しょうがなく?)数学に再入門するときに役立つ本の『数式を読みとくコツ―「数式は哲学だ」と割り切ってみよう』、図形を学ぶ本として、『図形に強くなる―「カタチ」をめぐる数学の不思議』などがあります。
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