ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

その他の海外の作家

Dali Pop-Ups(Mccarthy)

『洋書:Dali Pop-Ups(英語)』2014/12/8
Courtney Watson Mccarthy (著)


(感想)
 シュルレアリスムの代表的な画家・ダリの芸術作品を、飛び出す絵本で立体的に構成した美術絵本です。
 表紙の写真にもなっているダリの代表作「記憶の固執(The persistence of memory)」のぐんにゃり曲がった時計などが、立体になって飛び出してきます。もちろんオリジナルは絵画なので「飛び出して」くるはずがありませんが、どのページも「飛び出すとしたら、こんな形だろうな」と納得できるような造形になっています。
 もともとも作品が「不条理」な感じで、多重イメージの夢のような絵画なので……立体になったものを見ても、とにかく不思議で……ページを開くと、絵本の周辺の空間が歪むような気がして素敵です(笑)。
 すごく見応えのある美術しかけ絵本ですが、サイズが大きい(31.5 x 4.1 x 34.3 cm)ので、たいていの本棚には入りきらないのではないかと思います。でも、そこもまた素敵なところかも(笑)。表紙も少し厚みがある立派な装丁で、すごく存在感のある豪華なしかけ絵本です。

・1~2ページ目:イントロダクション(ダリの写真と解説)しかけなし
・3~4ページ目:記憶の固執(The persistence of memory):ダリの代表作の一つ。柔らかい時計がぐんにゃりする不思議な光景が立体になって飛び出します。
・5~6ページ目:ナルシスの変貌(The metamorphosis of Narcissus):ダリの代表作の一つ。球体+フランスパンのような長い円柱形のナルシス(?)が飛び出します(ただし手前のナルシス(?)は読者が引き上げてやらないと、折り畳まれたままです(笑))。
・7~8ページ目:Dancer in a Skull:赤い花をつけた若い女ダンサー(?)が中央についた頭蓋骨が、黒い背景から飛び出してきます。
・9~10ページ目:球体のガラテア(Galatea of the Spheres):数多くの卵で表現されたガラテアが飛び出してきます。
・11~12ページ目:瞑想するバラ(Rose Meditative):つまみを引くと、空間に真紅の薔薇が浮かびます(飛び出すしかけではなく、下のつまみを引くと、バラバラになって閉じられていた薔薇が、空間に出現してくるという仕掛けになっています)。
・13~14ページ目:Fifty Abstract Paintings Which as Seen from Two Yards Change into Three Lenins Masquerading as Chinese and as Seen from Six Yards Appear as the Head of a Royal Bengal Tiger:幾何学模様のような抽象画が飛び出します。
・15~16ページ目:幻覚剤的闘牛士(The Hallucinogenic Toreador):闘牛場の中にいる数多くのミロのヴィーナスが飛び出してきます。
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 マッカーシーさんの他の本『Hokusai Pop-Ups(北斎 ポップアップで味わう不思議な世界)』、『Leonardo Pop-Ups(レオナルド・ダ・ヴィンチ)』、『M. C. Escher Pop-Ups(エッシャー: ポップアップ)』に関する記事もごらんください。

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