ちょき☆ぱたん 紙の豆知識 (chokipatan.com)

第2部 基礎知識編

1 紙の特徴

 ふと周囲を見回しても、プリンタ用紙だけでなく、メモ帳やカレンダー、ティッシュペーパーにトイレットペーパーなど、紙はいたるところにさりげなく存在し、生活になくてはならない存在になっています。
 紙は次にあげるようないろいろな特徴を持っていて、幅広い用途に使われています。
・適度なざらつきがあって、文字が書きやすい。
・書いた文字を長期間保持することが出来る(書いた文字がなかなか消えない)。
・一般的には白くて不透明な平面状なので、取扱いや保存にも便利。染色もしやすい。
・薄くて軽く、手軽に持ち運べる。
・品質が安定している。
・耐久性があり、和紙1000年、洋紙で100年ぐらい保つ。(時間がたつと劣化はするが、かなり長時間保存できる)。
・さまざまな大きさ、厚みのものを作ることが出来る。
・柔軟性があって包んだものを傷めないし、強度もあるので、各種の包装や物の保護に利用できる。
・クッション性や弾力性があり、梱包用の緩衝剤に利用できる。
・適度に腰があって、折り曲げる、切るなどの加工がしやすい。貼りあわせることも出来る。
・危険性があまりなく、子供でも安全に取り扱える。
・親水性があり、多孔性もあるので、液体を拭き取ったり吸い取ったりできる。湿度の調整ができる(高湿度の時には吸湿する、乾燥時には放湿する)。湿度で伸縮する。水性インクで印刷できる。各種のフィルターにも利用できる。
・油を吸い取ることができる(脂取り紙、キッチンペーパーなどに利用できる)油性インクで印刷できる。
・光を通すことが出来る(透過性)。障子紙やランプなどに利用できる。
・通気性がよい。
・保温性がある(伝熱性が小さい)。
・燃やすことが出来る。
・中性にできる。(酸性紙など薬品添加で酸性にもできる)
・各種の素材、薬品で加工することにより、別のすぐれた特性をつけることができる。
 (吸水加工や防水加工、皺つけ、彩色、積層化、他)
・大量生産が可能(原料が安い&製造が容易)で価格が安い。
・入手しやすい。(身近な店で売っている)
・環境に優しい。(原料が植物繊維なので土に還元する、焼却時に有毒ガスを出さない、間伐材を原料に利用できる、古紙も再利用して再生紙に出来る、他)
・電子ペーパーよりも取扱いが容易で、書いた文字を読むのにも、コンピュータ画面などのハードやソフト、電源、起動時間などの必要がない。
・電子ペーパーと違って紙(と鉛筆)だけで読み書きできるので、OSやソフト、フォーマットやプロトコルの違い、バージョンの変更などを気にする必要はない。
・電子ペーパーと違って改竄しにくい。改竄の証拠が残りやすい。(長所でも短所でもある)

 こうしてあらためて考えると、紙は本当に優秀な素材だということが分かります。
 なおこれらの紙の特徴や特性は、使用する原料や原料の処理方法(叩解など)、製造方法(抄紙・塗工・加工・仕上げ条件)や使用保管環境(温度・湿度など)によっていろいろ変化させることができます(たとえば撥水加工ができるなど、本来の紙のもつ吸水性とは真逆の性質をつけることもできます)。

※叩解(こうかい)とは、紙を抄造する前処理で、繊維を細かくほぐして絡まりやすくすることを目的に、パルプと水に機械的処理をすること。

※抄紙(しょうし)とは、紙を抄くこと。

※塗工(とこう)とは、原紙に塗料や薬品を塗ること。コーティングとも言う。


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