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第1部 本
社会
日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義(アトキンソン)
『日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義』2019/1/11
デービッド アトキンソン (著)
(感想)
在日30年、日本を愛する伝説のアナリストのアトキンソンさんが、日本の直面する「人口減少×高齢化」という危機に打ち勝つ生存戦略を示してくれる本です。内容は以下の通りです(章タイトルが、生存戦略を表しています)。
第1章 人口減少を直視せよ――今という「最後のチャンス」を逃すな
第2章 資本主義をアップデートせよ――「高付加価値・高所得経済」への転換
第3章 海外市場を目指せ――日本は「輸出できるもの」の宝庫だ
第4章 企業規模を拡大せよ――「日本人の底力」は大企業でこそ生きる
第5章 最低賃金を引き上げよ――「正当な評価」は人を動かす
第6章 生産性を高めよ――日本は「賃上げショック」で生まれ変わる
第7章 人材育成トレーニングを「強制」せよ――「大人の学び」は制度で増やせる
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さすが元ゴールドマン・サックスの「伝説のアナリスト」と呼ばれる方だけあって、論旨がすごく分かりやすいです。各章の扉に、その章の概要がきっちり書いてあり、この部分を拾い読みするだけでも、だいたいの内容が分かるようになっています。
そしてアトキンソンさんが、これらの生存戦略の中で最も重視しているように感じたのは、「最低賃金の引上げ」。安すぎる日本の最低賃金を引き上げることで、日本の経済全体を悪循環から脱出させられると言うのです。
「最低賃金の引上げ」が望ましい理由として、次の6項目があげられていました。
1)もっとも生産性の低い企業をターゲットにできる
2)効果は上に波及する
3)消費への影響が大きい
4)雇用を増やすことも可能
5)労働組合の弱体化
6)生産性向上を「強制」できる
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「最低賃金の引上げ」を行うことで、消費が拡大し、格差が是正されて多くの日本人が幸せになれるなら、本当に良いことだと思わされました。(ただし「最低賃金の引上げ」は少しずつ継続的に上げるのが望ましく、一気に上げるのは逆効果になるのだとか)。
「人口減少と高齢化が進む日本には大変厳しい未来が待ち構えています。」
この危機に対応するために、どうしたらいいのかを考えている方は、ぜひ読んでみてください。
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アトキンソンさんの他の本、『新・観光立国論』、『国宝消滅』、『新・所得倍増論』に関する記事もごらんください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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