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第1部 本
ペーパークラフトの本(日本の作家)
折り紙
曲線折り紙デザイン(三谷純)
『曲線折り紙デザイン』2018/7/24
三谷 純 (著)
(感想)
1本の曲線を折って形を作る技法から、複数の曲線を組み合わせるためのノウハウまで、曲線で紙を折るためのテクニックを、豊富な図と写真で幅広く解説してくれる本です。内容(目次)の概要は次の通りです。
序章 曲線を折るということ
綺麗に折るためのヒント
chapter1 1本の曲線を折る
chapter2 曲線を並べる
chapter3 曲線を回転させて並べる
chapter4 折り込む
chapter5 円錐を折る
chapter6 直線で折り返す
chapter7 その他の技法
参考文献
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折り紙というと、たいていは直線で折るものですが、この本で教えてくれるのは「曲線の折り紙」。曲線で折ると、表紙写真のような不思議な造形が出来上がります。
そしてこの本には、「曲線折り紙」の作り方&展開図だけでなく、曲線で折るノウハウや、展開図作り方のヒントなど、造形のための解説もあるのです。その意味で、三谷さんの前著『立体折り紙アート』とも似ていますが、今回の解説部分は、前著よりも分かりやすい内容になっているので、より一般人向けだと思います。
各章とも、まず基本的な解説があり、続いて3~4つの作例(作り方説明と展開図付)があって、最後に「理論を知りたい人のために」という、ちょっと難しめの解説があります。とても親切な構成になっていると思いますが、作例の展開図はかなり小さいので、大きく拡大コピーして使うことをお勧めします。曲線折りは、あまり小さすぎると、作るのがすごく難しくなってしまうので……。
個人的に参考になったのは、「序章 曲線を折るということ」の「紙を曲げることで、滑らかな曲面を作ることができます。ただし、紙には元の状態に戻ろうとする力があるので、指で挟んだりテープで留めたりしないと、開いて平らな状態に戻ってしまいます。最終的には、このような紙の力と固定された点の間でバランスが取れた形になります。少し厚めの紙を使うことで、たわみのない、張りのある美しい曲面が現れます。」という文章。曲線折り紙の基本は、ここにあるのだと思います。
また曲線折り紙を作るのが難しいのは、机に押し付けて作ることが出来ないこと。これに関しても、次のような記述がありました。
「紙は曲線に沿って折ることも出来ます。(中略)机に押し付けて平らに折ると直線の折り目になってしまいますから、曲線の折り目を作るには、紙を空中に持ち上げて、全体を湾曲させながら折る必要があります。これが曲線で紙を折るということです。」
……うん、これが意外に難しいんだよね。うっかり雑に折ると、ぼこぼこな線になってしまうから……曲線折り紙を作る時には、空中でも簡単に成形できるように、折る前の準備として、鉄筆などで「線に綺麗な折筋」をしっかり付けておくよう心掛けましょう!
曲線折り紙に関する技法や理論などを、幅広く教えてもらえる本でした。しかも実際に作品を作ってみることで、「実習」も出来ます。曲線折り紙に興味のある方は、ぜひ読んでみてください☆
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三谷さんの他の本、『ふしぎな 球体・立体折り紙』、『立体折り紙アート』、『曲線が美しい立体折り紙』に関する記事もごらんください。
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