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第1部 本
ビジネス・仕事力向上
1%の人だけが実行している45の習慣(井上裕之)
『1%の人だけが実行している45の習慣』2013/11/5
井上 裕之 (著)
(感想)
なぜかはわからないけど、やることなすこと全部うまくいく……そんな「すべてがうまくいっている1%の人」と、「何かがうまくいっていないその他99%の人」の違いはどこにあるのか? 両者を分ける「45の分岐点=ほんのわずかな習慣の違い」を教えてくれる本です。その習慣の違いには、次のようなものがあるそうです(一部を抜粋して紹介)。
○1%の人は、「頑張ります」という言葉は使わない
×99%の人は、「頑張ります」とよく口にする
○1%の人は、真面目な努力家が陥りやすい「落とし穴」を知っている
×99%の人は、「自己否定グセ」がついている
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このような「45の習慣の違い」を教えてくれるのですが、45の習慣の中には重複しているものがあるように思えたので、全体としてはもっと少ないのではないかと感じました。
また上記の例を見ても分かるように、この本で教えてくれる「良い習慣」は、「もっと自分を信じよう」というような「心構え」に関するものが多く、「真面目なのに何故かうまくいかない」人に向けた「もっと肩の力を抜こうよ」というアドバイスとしては役に立つと思いますが、仕事力向上のための具体的な方法はあまり書いてないので、「面倒くさがり、怠けたがり」だけど仕事を効率化するための習慣が知りたいという方にとっては、あまり参考にならないのではと思います(汗)。
個人的に特に参考になったのは、13番目の、「1%の人:スケジューリングは「好い加減」に、99%の人:時間管理意識が過剰(または過少)」という習慣で、「好い加減」とは、「ポイント、ポイントの時間をきちんと決めて、あとは流れで予定を把握する」という「緩めの時間管理」のことで、その方が結局は効率的だという勧め。確かに「完璧な時間管理」などは不可能なのだから、むしろ「守るべきポイント」、「それ以外のもの」に分けて、状況に合わせて実行していくのが最も現実的だと感じました。
逆に、少し疑問に感じてしまったのは、21番目の習慣「1%の人:自分の苦手な仕事は引き受けない、99%の人:苦手な仕事でも引き受けてしまう」と、26番目の習慣「1%の人:苦手な人にこそ興味を持つ、99%の人:苦手な人とはひたすら距離を置く」の二つ。これはむしろ逆なのでは? と感じてしまったのです。「苦手な仕事」の方は、自分の努力だけで克服することが可能ですが、「苦手な人間」の方は、相手に属するものが多くて自分の努力だけではどうにも出来ない部分があるので、自分の精神衛生上、「苦手な人間」からは一定の距離を置いてもいいのでは? と感じました。もちろん「苦手は仕事」の方は、プロジェクトなどの時間制約上、仕事の遂行が不可能な場合には、頑張って自分でやろうとはせずに、「苦手なので期限内に終わらせるのは不可能です」とはっきり言って断った方が、むしろ相手にとって誠実だとは思いますし、たとえ「苦手な人」でも仕事上付き合わなければならない時には、(一定の距離を置きつつも)誠実な態度で付き合う必要があるとは思いますが……。
ということで、45すべての習慣が参考になると思ったわけではありませんでしたが、大部分はとても良い習慣だったと思います。全体的には、他の自己啓発書にも書いてあるような内容が多かったので、一般的に見ても「役に立つ」習慣だと感じました。特に、「真面目に頑張っているのに、なぜかうまくいかない」という悩みを持つ方にはお勧めです。
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井上さんの他の本、『「学び」を「お金」に変える技術』、『なぜ、あの人の仕事はいつも早く終わるのか?』に関する記事もごらんください。
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井上さんは、他にも『年収1億円を引き寄せる1%の人だけが実行している45の習慣』などの本を出しています。
なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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