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第1部 本

ビジネス・仕事力向上

「学び」を「お金」に変える技術(井上裕之)

『「学び」を「お金」に変える技術』2012/9/20
井上裕之 (著)


(感想)
「成果がほしいなら、お金を稼ぎたいなら、意識を変える学びをしなければいけない」ということを教えてくれる本です。
 資格をたくさん取ったり学びにお金を費やしても、収入には結びつかない人が多いなか、この本の著者の井上さんは、「資格試験などの枝葉の勉強ばかりしても意味がなく、意識を変える学びをしないと意味がない」と考えているようです。「勉強はしているけれど、収入アップを実現できない人は、学びが足りないか、学びをお金に結びつけようとする意識が希薄なのです。」なのだとか(汗)。
 そして「人生を制する時間管理7つの法則」として次のことを教えてくれます。
1)優先順位を決める
2)新しいことをはじめるときは、現在、行っているものの一部を捨てる
3)できないこと、苦手なことはムリしてしない
4)したいことだけをする。本当にしたくないことは断る
5)取り組むときは、真剣に、集中して行う
6)スキ間時間をムダにしない。どんな小さな時間でも活用する。
7)常に本気で生きる。明日はないという気持ちで取り組む
   *
「3)できないこと、苦手なことはムリしてしない」というのは少し意外でしたが、その真意は、「人にやってもらえることはどんどんアウトソーシング。私でなければできないことに時間を使いたい」ことにあるようです。
 さらに「学びに投資すること」「人間関係で無理をしないこと」「毎日のよい習慣をつけること」など、参考になる心構えをいろいろ紹介してくれます。
 ただし、全体としては「考え方」や「心構え」を説く本で、「学び」を「お金」に変える「技術(具体的な方法)」を教えてくれる本ではなかったように感じました。具体的だと感じられたのは、「まず投資。リターンはそこから生まれる(借金もせずには成功できない)」とか「積極的に自己アピールする」ぐらいでしょうか。
 でも、まず「心構え」を持つことが大事なのかもしれません。なぜなら、この本のベースとなっているのは、「潜在意識をうまく働かせる」ことで、「成功を引き寄せられる」ということだからです。
「潜在意識によい思い、きれいな思いを入れるとよい結果が引き寄せられる。反対に、潜在意識に悪い思い、ネガティブな思いを入れると悪い結果が引き寄せられる。」
 低欲望な方なので、個人的には「たくさんお金を稼ぎたい」とそもそも考えてはいないのですが、この本の「第4章 学びと類友の法則」の「苦手な人とうまく付き合おうとする必要はない」という考え方には、すごくホッとさせられました。
「周囲の人とまんべんなくうまく付き合おうとすれば、常に緊張を強いられることになり、ストレスは限りなく増してしまいます。そういう人間関係を無理してつづけることにこだわる必要はありません。(中略)誰とでもうまくやることに神経をすり減らすのではなく、この人ならばと選択した人とだけ、本気で、誠心誠意向かい合って付き合えばいいのです。」
 ……本当にそうですね。
 最後に、この本の中で紹介されていて、とても共感を覚えた、デール・カーネギーさんの言葉を紹介させていただきます。
「私たちは聖者と違って、自己の敵を愛するのは無理かもしれない。けれども自分自身の健康と幸福のために少しでも敵を許し、忘れるようにしよう。(デール・カーネギー)」
   *   *   *
 井上さんの他の本、『1%の人だけが実行している45の習慣』、『なぜ、あの人の仕事はいつも早く終わるのか?』に関する記事もごらんください。

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