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第1部 本
ビジネス・仕事力向上
一瞬で正しい判断ができる インバスケット実践トレーニング(鳥原隆志)
『一瞬で正しい判断ができる インバスケット実践トレーニング』2013/3/13
鳥原隆志 (著)
(感想)
限られた情報を元に判断を下す力を試すバーチャルビジネスゲーム「インバスケット」を紹介してくれる本です。
「インバスケット思考とは、限られた時間でより成果を出すための考え方であり、インバスケットはそのための道具なのです。」ということで、「インバスケットでは、次の10の能力を発揮できているかを測定することができ」るそうです。
1)優先順位設定力
2)問題発見力
3)問題分析力
4)創造力
5)意思決定力
6)洞察力
7)組織活用力
8)当事者意識
9)ヒューマンスキル
10)生産性
*
この本では、通販会社の40歳の課長・稲葉になりきって、「会議10分前、10通の未開封メール」、「売れ筋商品の売上が急落したら」、「取引先への企画書のミスが締切直前に発覚」、「開発中の商品が微妙と気づいたら」、「前任者が残した不良在庫をどうするか」というようなリアルな場面設定の36問を解くことで、優先順位設定力、問題発見力、意思決定力など仕事の現場で求められる9つの力が試され、仕事での「弱点」が分かるように構成されています。「インバスケット」は、管理職試験などにも採用されていますが、この本の主人公は管理職試験受験対象者と似ていると思われるので、「主人公になりきって」のトレーニングをしやすいのではないでしょうか。
この本のトレーニングは、「問題がそれぞれ独立している」ように構成されているので、全体を一気にやる必要はなく、ちょっとしたスキマ時間を活用して少しずつ回答することが出来ます。(ただし、以前の問題の状況を覚えておかないと罠にはまる問題が1問だけありましたが……)。管理職試験を受けるビジネスマンは、すごく多忙な方だと思うので、こういう構成は有難いですね。でも各問題の最初に書いてある「やれやれ、……」から始まる主人公・稲葉の心の声は、個人的には「いらなかった」と思います。その章の問題に直面した「後」の心の声のようですが、読者としては問題を見る「前」に、先走った「やれやれ」を見せられると、モチベーションが下がっていきます(汗)。読者が「稲葉になりきり」やすいようにするための工夫なのかもしれませんが……。
それはともかく、この本は難問揃いですが、問題への回答は4択なので意外に回答しやすかったと思います。そんなに難しくはないな……と思っていたら、最後の「ヒューマンスキル」で、「部下への厳しい指導」が出来ていないことに気づかされました(汗)。鳥原さんは次のように言っています。
「私は今まで4000名を超えるリーダーの教育に携わってきましたが、すべての能力をまんべんなく発揮されている方はほとんどいません。どこかの能力、つまりプロセスに課題がある方が多いのです。」
仮想体験で、自分の欠点がどこにあるかに気づくことが出来るのは嬉しいですね。しかも「インバスケット」は、単なる知識ではなく、「主人公になりきって、どう行動して問題を切り抜けるかを考える」ゲームなので、とても実践的に学べる上に、現実に同じような場面に直面したときにも、どう行動すべきかの指針を与えてくれると思います。
「インバスケットがここまで注目されるのは、理論や知識を詰め込む、いわゆるインプット形式ではなく、持っている能力や知識、ノウハウを活用できるかというアウトプット型の教育ツールであることが大きいと考えています。」なのだとか。
「正しい判断」がいつでも100%出来るようになることは不可能だとは思いますが(汗)、間違っていてもすぐにリカバリが可能な「次善の判断」ぐらいは、いつも出来るようになりたいと思います。
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鳥原さんの他の本、『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』、『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』、『マンガでやさしくわかるインバスケット思考』、『いまから、君が社長をしなさい。』に関する記事もごらんください。
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鳥原さんは、他にも『鳥原隆志のインバスケット実戦ワークブック 課長塾 決める課』、『入社2年目のインバスケット思考~一生ものの仕事の進め方~』などの本を出しています。
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