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第1部 本

描画参考資料

日本の名城解剖図鑑(米澤貴紀)

『日本の名城解剖図鑑』2014/12/29
米澤 貴紀 (著), 中川 武 (監修)


(感想)
 日本の名城をイラスト図解で詳しく解説してくれる本です。
「この一冊で日本の城の仕組みがすべてわかる」という謳い文句通りに、名城のイラストだけでなく、城に関するさまざまな知識も教えてもらえます。ただし日本の城のすべてが網羅されているわけではなく、代表的な城の30余りがイラスト解説されたものです。
 まず「序 城のキホン」として、天守の構成は、独立式、複合式、連結式、連立式の4種類があるとか、城の構成は、天守、御殿、櫓、門、土塁石垣、塀、堀、橋から成るとか、日本の城に関する色々な情報を教えてもらえます。築城の流れとか、城の変遷とか、城の用語解説とか、興味深い知識が満載☆ この「序」を読んだだけでも、日本の城についての知識をかなり深められました。

 続く「1章 城跡を解剖する」では、特色のある安土城、江戸城、五稜郭、小諸城、竹田城、萩城、高松城、肥前名護屋城が、イラストで詳しく解説されています。
 そして後半は、各名城の解説(2~6ページ)になります。
 現存する天守は、現存・復元・復興・模擬の4つに分類されるのだとか。復元と復興はどう違うのか?と思いましたが、「復元」は、外観や内部構造を絵図や文書などにもとづき当時と同様に復元したもの(概観だけ復元したものも含む)で、「復興」は、資料不足や観光などの利用面から当初の天守と異なった点があるものを指すそうです。
「現存天守」として紹介されるのは、姫路城、松本城、彦根城、犬山城、備中松山城、松山城。
「復元された城」として紹介されるのは、名古屋城、熊本城、白石城、白河小峰城、新発田城、掛川城、和歌山城、岡山城、広島城、大洲城、佐賀城、首里城。
「復興された城」として紹介されるのは、大坂城、小田原城、忍城、大垣城、清洲城、洲本城です。
 これらの名城が、写真ではなく線画イラストで描かれているので、絵を描きたい人にとっては、すごく参考になると思います。城だけでなく、石垣の積み方とか、土塁とか、全体の俯瞰図とかも、すべて線画イラストです☆ もちろん図には解説も添えられているので、絵を描く人だけでなく、日本の城を舞台にした小説を描きたい人にも役に立ちます。
 日本の城に関する、とても情報量の多い素晴らしい図鑑だと思います。日本の城が好きな、すべての方にお勧めします☆
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 解剖図鑑シリーズの他の本、『建築デザインの解剖図鑑』、『お店の解剖図鑑』、『名所・旧跡の解剖図鑑』、『世界の名建築解剖図鑑』、『文房具の解剖図鑑』、『住まいの解剖図鑑』、『片づけの解剖図鑑』、『家づくり解剖図鑑』に関する記事もごらんください。
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 別の作家の本ですが、『戦国武将の解剖図鑑』、『日本の城 ―透視&断面イラスト』、『大判ビジュアル 図解 大迫力! 写真と絵でわかる 日本の城・城合戦』、『城のつくり方図典 改訂新版』、『オールカラーでわかりやすい! 日本の城』、『お城のすべて (学研雑学百科)』、『ビジュアル百科 日本の城1000城 1冊でまるわかり!』など、小説やイラストをつくる時に参考になる本は多数あります。
 また『城 バイリンガル ガイド: Bilingual Guide SAMURAI CASTLE (英語)』は、日本の城を英語と日本語で解説している本で、実際に紹介されているのは安土城や大阪城など20程度ですが、城の作り方・歴史・用語集などの内容も充実しているので、掲載されている以外の城を英語で紹介する時にも参考になると思います。手ごろな大きさで薄いので、外国の人を案内する時に持参するのにも便利で、お勧めです。

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