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第1部 本

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ホビットの冒険

『ホビットの冒険』2000/8/18
J.R.R. トールキン (著), J.R.R. Tolkien (原著)


(感想)
 気のいいホビット(小人)のビルボ・バギンズは、ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフ(小人)に誘いだされて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。苦難の果て、彼らは凶悪な竜を倒して宝を取り返すことが出来るのでしょうか? 北欧の叙事詩を思わせる壮大なファンタジーです☆
 この『ホビットの冒険』は、J.R.R. トールキンさんの、さらに壮大なあの『指輪物語』の原点といわれる物語です。『指輪物語』は全9巻もある大人向けの長大なファンタジーですが、こちらは全2巻(1冊にまとめられていることもあります)と、それほど長くないですし、わくわくする展開がすごく面白いです☆ 児童向けに書かれているせいか、細かい設定を覚える必要もあまりなく(汗)、一気に読み進められます。
『指輪物語』に興味がある方は、この『ホビットの冒険』をぜひ先に読んでください。時代設定も『指輪物語』の前ですし、なんといっても『指輪物語』の最重要アイテムの「指輪」を手に入れた時の物語なのです。
 とっても面白いだけでなく、考えさせられるところもある素敵なファンタジーです。
(※ここから先は、物語の核心にふれるネタバレを含みますので、結末を知りたくない方は読み飛ばしてください)
 物語の主人公は、ホビットのビルボ・バギンズ。居心地のいい家でぬくぬく暮らしたいと思っている彼の家に、ある日、魔法使いガンダルフが訪れます。それがすべての始まり(笑)。あれよあれよと言う間に、13人のドワーフもやってきて、彼はいつの間にか、「忍びの者」として彼らの危険な旅に無理やり参加させられることに……(涙)。
 そして「忍びの者」とは、斥候や用心棒的な役割をも意味しているようで、危険な仕事はいつも彼の役割に……(涙・涙)。
 ビルボはしょっちゅう「帰りたい」と思うのですが、仲間のドワーフを見捨てることもできず危険な道を一緒に行くうちに、なんと魔法使いガンダルフの方が途中で帰ってしまうのです(えー??)。
 でもそこからが、ビルボ・バギンズの根性と機転の見せどころ。前半とはうってかわって(?)大活躍を始めるのです。
 これは「ドラゴン・クエスト」です。
 魔法の指輪を思いがけず手に入れたビルボは、仲間とともにやみの森へ……困難につぐ困難が彼らを襲います。
 そして囚われた岩屋からなんとか脱出したビルボたちは、いよいよ恐ろしい竜スマウグに命がけの戦いを挑みます。
 ……と、はらはらする展開がすごく楽しいのですが、ただの「ドラゴン・クエスト」では終わらないところがトールキンさんのファンタジー。竜を倒して財宝を取り戻すと、今度はなんとビルボと仲間のドワーフの関係が悪化してしまうのです。
 うーん。現実社会でもこういうことって、よくあることですよね……。
 面白いだけでなく、いろいろなことを考えさせてもくれる、素晴らしい物語です。
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 トールキンさんの『指輪物語』に関する記事もごらんください。
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 この本を原作にした素晴らしいアクションファンタジー映画『ホビット』3部作もお勧めです。

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