ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
動く&錯視錯覚の本
錯視錯覚技法
手作りアニメ レシピBOOK
『手作りアニメ レシピBOOK (美術のじかん)』2011/7/22
大高 那由子 (著)
(感想)
アニメーションを手作りする方法を教えてくれる本です☆
「アニメを手作り」って、セル画を手描きするってこと? と思われる方もいるかもしれませんが、もっと原始的な「パラパラ漫画」などの作り方を教えてくれる本です。原始的なだけに、アニメの原理がよく理解できるのではないかと思います。
この本が紹介しているアニメーション・トイは、大きく分けると次の6種類です。
1)ぱらぱら漫画:ノート形式、手回し式で、連続イラストが動いて見える。
2)スキャニメーション:黒い縞模様の向こうで、影が動いて見える。
3)ソーマトロープ:両端を紐でつないだ回転盤を回すことで、表のイラストと裏のイラストが合成されて見える。
4)パノラマボックス:蛇腹ボックスに絵を描き、蛇腹を伸ばしたり縮めたりすることで、絵の遠近感が変化して見える。
5)フェナキスティスコープ、ヘリオシネグラフ:絵の描かれた円盤を回してスリット越しに見ると、絵が動いて見える。
6)ゾートロープ:絵や立体のついた円筒を回してスリット越しに見ると、絵や立体が動いて見える。
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本の構成としては、最初に「Part 1 アニメーションのアニメと手法」として、アニメの歴史や種類が紹介され、続いて「Part 2 アニメーション装置を作ろう」で、上記の「ぱらぱら漫画」などの実際の作り方解説があり、最後の「Part 3 オリジナル原稿を作ろう」で、「プランニング→作画・造形・撮影→パソコン取り込み→加工→プリントアウト」の一連の流れが紹介されていきます。
とても多くの種類のアニメーション技法が紹介されているので、一つ一つの説明が、少しあっさり過ぎる感じもありますが(汗)、もともと原始的なタイプのアニメーション・トイに関する解説がメインなので、だいたい理解できるのではないかと思います。
ただ「Part 1 アニメーションのアニメと手法」の中で紹介される手法(手書きアニメ、切り絵アニメ、人形アニメ)の方は、もう少し詳しい説明が欲しかったとは思います……これらの手法のアニメーションの方が、より一般的な方法だと思いますので。なお、これらの手法については、『アニメーションの本』や、『クレイ・アニメーションを作ろう』など、より詳細に解説した本が他にあり、このサイトの記事でも紹介していますので、興味のある方は、そちらもご覧ください。
さて、この本のメインとなる「Part 2 アニメーション装置を作ろう」では、オリジナル装置を作るときに用意するものとして、「あきらめない心」「よく考える頭」「良い道具」「少しのお金」の4つがあげられています(笑)。その先頭にある「あきらめない心」、これは本当に大事です☆ 自作アニメってのは、試行錯誤の繰り返しですから。その上、何枚もの絵を描かなければならなかったり……描いた絵が無駄になったり……穴あけやスリット作りで手が痛くなったり……。
やっぱり、あきらめない心が、最重要です☆
なお、付録のDVDはWindowsとMacの両方に対応していて、アニメーション装置の原稿や型紙のPDFや、装置の動きを撮影したムービーなどが入っているので、実際の装置の動きを見ることが出来ます。
この本を参考にして、さまざまなアニメーション・トイを作ることが出来るのですが、最も簡単に作れそうなのは、表紙に出ている「ソーマトロープ」で、比較的簡単なのに一番効果的に楽しめそうなのは、「ぱらぱら漫画」ではないかと思いました。
そして作ったものを他の人に見せた時に一番「すっご~い!」と受けそうなのは、「スキャニメーション」だと思います。中身の絵からは、動きが想像しにくいので。
この本で作り方が紹介されているアニメーション・トイのほとんどの材料は、文具店やDIYショップ、手芸店で入手可能だと思います。アニメに興味のある方は、この本を参考に、手作りアニメに挑戦してみてはいかがでしょうか。楽しい工作感覚で作れますし、お子様の夏休みの自由研究にも使えるかもしれません。
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別の作家の本ですが、やさしいアニメーションの本には他にも『アニメーションの世界へようこそ―カラー版 (岩波ジュニア新書)』などもあります。
また手作りアニメーションを楽しむための商品には、『アーテック アニメーションプロジェクター組立キット』、『描いたイラストが動き出す パラパラまんが帳 100枚綴 3冊入』、『パラパラまんが帳』、『イーケイジャパン エレキット おどろきばん3点セット』、『ゾートロープ (ビー玉タイプ)』、『アーテック ゾートロープでアニメーション』など色々あります。
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