ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
しかけ絵本(海外の作家)
※日本語の本(翻訳版)もあります
その他の海外の作家
Making Colors
『洋書:Making Colors(英語)』2014/04
James Diaz (クリエイター)
(感想)
しかけ絵本好きの人間のバイブルと言っても良い『実物で学ぶしかけ絵本の基礎知識ポップアップ』の作者の一人、ジェームス ダイアズさんが、しかけ技法を駆使して、色(混色)について教えてくれる知育絵本です。『Making Shapes』ほど珍しい技法はありませんが、大人が見ても満足できる、都会的に洗練された美しい絵本です。
最後のページ以外は、左の地色と右の地色を混色した色が、中央部分に立体的に立ち上がるというしかけになっています。左右の地色部分はページが二重になっていて、両方のページの一部をめくりあげたものが、中央で混ざり合いながら、抽象的なオブジェになって立ち上がってくるのです。しかもよく見ると、混ざりあっている部分は、色がグラデーションになっています。どのページも、美術館に飾りたくなるような美しいフォルムをしています☆
・1~2ページ目:赤(左)+黄(右)=橙(中央)。橙色の泡が立ち上がります。この泡のオブジェは、円柱状の泡に丸い泡を組み込んであるのですが、このように円柱になっているしかけは、意外に珍しいものです。丸い泡がふわふわ揺れるのも、浮いている感じで可愛いです。
・3~4ページ目:青(左)+黄(右)=緑(中央)。両側から緑のリングが組み合わされて立ち上がります。
・5~6ページ目:青(左)+赤(右)=紫(中央)。両側から紫のアーチが組み合わされて立ち上がります。左右非対称に組み合わされたアーチ形のリズム感が美しいです。
・7~8ページ目:黒(左)+白(右)=灰(中央)。両側から波のような形が組み合わされて、中央に蝶のようなオブジェを作ります。すごくスタイリッシュ☆
・9~10ページ目:カラーカードの奔流。表紙に描かれているような美しいカラーカードが、重なり合って立ち上がります。ページの左側に、赤、黄、青の混色の引っ張りしかけ。
これらの混色はすべて「不透明な紙」で実現されています。透明感のある色を使っている表紙のイメージから、一部に透明フィルムが使用されていることを実はひそかに期待していたのですが、「紙」のクリエイターのジェームス ダイアズさんは、混色も「紙」だけで実現していました。この透明感は印刷の美しい色で表現されています。
前作『Making Shapes』同様、この本も子供はもちろん大人も楽しめる素敵な絵本です☆
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ジェームス ダイアズさんの他の本、『実物で学ぶ ポップ・アップを作ろう』、『実物で学ぶしかけ絵本の基礎知識ポップアップ』、『Making Shapes』に関する記事もご覧ください。
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『You Call That Art?!: Learn About Modern Sculpture and Make Your Own』は、David A. Carterさんと共著の本です。
また『Spot the Dot』は、奔放な色が美しいDavid A. Carterさんの素敵なしかけ本。
他にも『Snappy Little Colors』など、色をテーマにした、しかけ絵本は、他にもいろいろあります。
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