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第1部 本

ビジネス・仕事力向上

自分を成長させる極意――ハーバード・ビジネス・レビューベスト10選(ドラッカー、他)

『自分を成長させる極意――ハーバード・ビジネス・レビューベスト10選』2016/1/16
ピーター・F・ドラッカー (著), クレイトン・M・クリステンセン (著), & 2 その他


(感想)
「経営学の巨人」のドラッカーさんたち10人が、「自分を磨く方法」を教えてくれる本で、ハーバード・ビジネス・レビュー編集部が、「自己成長」に関するテーマで、ベスト10の作品を選んで収録しているので、とても読み応えがあります。作品は次の通りです。
Chapter 1:自分の人生を「成功」に導く――正しい物差しで生き方を管理する
Chapter 2:自分をマネジメントする――自分の強み、仕事の仕方、価値観を知る
Chapter 3:これで、時間は完全に支配できる――仕事の「サル」を手なずける
Chapter 4「レジリエンス」を鍛え上げる――強い個人と組織をつくるために最も必要な能力
Chapter 5:身体・感情・知性・精神のレベルを底上げする――パフォーマンスを活性化するトリガー
Chapter 6:「小さな勝利」で自分を変える――全方位的に目標を攻略する
Chapter 7:「膨大な仕事」に飲まれない最良のアプローチ――自分の仕事を取りもどす
Chapter 8:人の上に立つために最も大切な「4つのこと」――最高のリーダーが力を発揮する秘密は何か?
Chapter 9:自分を成長させ続ける「7つの質問」――ビジネスで定期的に考えるべき最重要の問い
Chapter 10:成果を最大化する「プロセス」を実行する――自己認識を変える5つの自己革新ステップ
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 どの章もすべて参考になる記述ばかりでしたが、個人的には「Chapter 5:身体・感情・知性・精神のレベルを底上げする」が最も充実していたように感じました。この章の終りには、自分のエネルギーを意識的に高める方法として、身体、感情、知性、精神のエネルギーを高める方法が書いてあるのですが、例えば「身体のエネルギーを高める」方法としては、「就寝時間を早め、飲酒の量を減らすことで睡眠の質を高める」、「最低週3回は心肺機能を高めるトレーニング、最低週1回は筋力をつけるトレーニングを行い、ストレスを軽減する」、「短時間の休憩を意識的に取るようにし、一日を通じて90~120分のサイクルでデスクを離れる」などが、「感情のエネルギーを高める」ためには、「深い腹式呼吸で、負の感情(いらつき、短気、不安、心細さ)を抑える」、「周囲の人に感謝の気持ちを示して、自分と他人の両方の前向きな感情を引き出す」、「動揺する事態に直面したら、これまでとは違う3つのレンズ(逆、長い、広い)を通して事態を観察する」など、いろいろと具体的な方法が紹介されています。これらはいつも心に留めて、少しずつ実行していきたいと感じました。
 また忙しいマネージャーの方には、「Chapter 3:これで、時間は完全に支配できる」で紹介されている方法が、すごく実践的に役に立つのではないかと思います。この章では、部下が持ち込む厄介ごとを「サル」と呼んでいて、サルの世話を自分で背負いこまないための方法が書いてあるのです(笑)。そのためにはまず、「サルに対応する日時」を事前に決めるべきなのだとか。部下と話すときの5つのルール(1)部下の仕事を、進めるかやめるか決める、2)相談は1回15分以内に、3)その件のやりとりは「打ち合わせ」のときだけ、4)文書で進め方を指示しない、5)相談の頻度と日時を明確にする)なども参考になりました。……厄介ごとを「サル」と呼ぶと、なんかユーモラスな上に視覚的に分かりやすくて面白いですよね(おっと、こっち来んな)。
 自己啓発書としてすごく目新しい内容があったわけではありませんでしたが(汗)、全般にとても参考になる本でした。章ごとに「行動のための手引き」としてその章で重要なことがまとめてあるので、その部分を読むだけでも役に立ちそうです。ぜひ読んでみてください。
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 ドラッカーさんの他の本、『プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか』、『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』、『ドラッカー 365の金言』、『ドラッカー名著集1 経営者の条件』、『ドラッカーの実践マネジメント教室』に関する記事もごらんください。
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 ハーバード・ビジネス・レビューには、他にも『ハーバード・ビジネス・レビューBEST10論文―世界の経営者が愛読するなどの本があります。

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