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第1部 本

描画参考資料

おせっかいな化石案内(芝原暁彦)

『おせっかいな化石案内: 見えないものが見えてくる! 古生物の観賞ポイントを解説してみた』2024/7/12
芝原 暁彦 (著)


(感想)
 古生物学者の芝原さんが、化石を“視る技術”を“おせっかいな案内人”として教えてくれる博物館案内のガイドブック。博物館に展示されている化石化した古生物が、いつどこで、どのように生きていたか、なぜその地層から見つかったか。古生物(とりわけ「推しの化石」)の生態や地層の特徴を、豊富な写真やイラストで分かりやすく教えてくれる本で、主な内容は次の通りです。
1章 日本のすごい化石産地
恐竜王国(福井県立恐竜博物館)
〝海の〟陸生動物化石?(徳島県立博物館)
島まるごと化石博物館(天草市立御所浦恐竜の島博物館)
コラム① 日本の恐竜研究の聖地(むかわ町穂別博物館、北海道大学総合博物館)
2章 日本が誇るすごい化石
圧倒的アンモナイト(三笠市立博物館)
山形のヒーロー(山形県立博物館)
THE日本の化石(地質標本館)
大阪地下の巨大ワニ(大阪市立自然史博物館)
コラム② まだまだすごい日本のご当地化石(丹波市立丹波竜化石工房、いわき市石炭・化石館 ほるる、埼玉県立自然の博物館)
3章 日本で見られる世界のすごい化石
恐竜発掘のジオラマ(群馬県立自然史博物館)
ティラノサウルスvsトリケラトプス(国立科学博物館)
コラム③ 時空を超えて日本にやってきた世界の化石(蒲郡市生命の海科学館、群馬県立自然史博物館、北九州市立自然史・歴史博物館 いのちのたび博物館)
日本のすごい街中化石

 この本は、日本の各地にある博物館展示物の中で最も美味しい部分、すなわち「推し展示」を抽出して、それについてひたすら解説してくれます。
 最初の博物館は、「恐竜王国(福井県立恐竜博物館)」。思わず、ヤッター! と拍手したい気持ちに(笑)。しかもなんと「入口から長いエスカレーターで一気に下る」部分の写真からあるので、まさに今、博物館に入っていくような気分になれるのです!
 最初に迎えてくれるのは、「ティラノサウルス・ロボット」で、リニューアル前よりもさらに「生物らしい動き」をするようになったそうです。
 さらにカマラサウルスの全身骨格も。これは2007年にアメリカのワイオミング州で発見され、2009年に恐竜博物館に導入されたもので、全長15メートル。骨格の下には、実物の頭骨が別に展示されているそうです。
 なんと連絡通路にも、「ハプティクス」という楽しい仕掛けが……
「歩きながら恐竜の絵を眺めていたら、鳴き声や息遣いが耳をくすぐるように聞こえてきました。まるですぐ隣に恐竜がいるかのような感覚です。」
 ……いろんな工夫がなされているんですね!
 この他にも「収蔵庫の空間がガラス越しに見学できる」とか「「化石発掘プラス」などの体験メニューもある」とか、「現場で使用されている発掘道具の実物も展示されている」とか、興味津々な展示が満載のようです。
 もちろん福井の恐竜発掘プロジェクトの成果である恐竜たちのオブジェも並んでいるようですが、「なぜ福井で恐竜なのか?」という疑問については……
「日本列島が大陸にくっついていた時代は、恐竜が生息していた時代も含まれます。その時代に、例えば水辺などで恐竜たちが死ぬと、肉や皮がほかの動物に食べられたり、あるいは自己分解酵素やバクテリアなどに分解されたりして骨だけが残ります。これが砂や泥などの堆積物に埋もれ、運が良ければ化石化し、そこに保存されます。
 そのため、この時代に川や湖などでたまった地層の中には恐竜化石が含まれている可能性が高いのです。福井に分布する手取層群もそのような地層の一部というわけですね。」
 ……そうだったんだ。「福井県立恐竜博物館」、行ってみたいですね!
 そして驚かされたのが、「島まるごと化石博物館」の天草市立御所浦恐竜の島博物館。ここはまさに「島がまるごと化石博物館」といっても良い場所だそうで……
「御所浦は、御所浦島や牧島など大小18の島々から構成され、島の各地に化石の産地やジオスポットがあります。「日本の地質百選」にも選定されており、恐竜ファンなら知らない人はいないであろう、まさに“化石の島”!」……なのだとか。
御所浦の南西部の「白亜紀の壁」では、赤・白・暗い灰色のコントラストが特徴的な地層に、恐竜化石がたくさん埋まっているそうです。ちなみに、この地層の赤は氾濫原の堆積物(赤鉄鉱を多く含むため赤く見える)、白はアルコース砂岩、暗い灰色は干潟などで堆積した地層と考えられているのだとか。
 また「圧倒的アンモナイト」の三笠市立博物館も凄かったです。なにしろ巨大アンモナイトだらけの展示室のインパクトが凄い! ドイツで発見された世界最大のアンモナイトの実物大イメージ模型(直径2.5メートル)もあるそうです。
 さらに「トリケラトプスの発掘現場を実寸で再現したジオラマ」がある群馬県立自然史博物館も!
「(前略)ガラスの床の下にボーンベットのジオラマが設置されており、上から俯瞰する形で、発掘現場を観察することができます。」
 ……なんて素敵な博物館なんでしょう。これは多くの化石が発掘されている北米のヘル・クリーク層のジオラマで、そこに展示されているのは、一部を除いてトリケラトプスの実物(!)化石だそうです。
『おせっかいな化石案内: 見えないものが見えてくる! 古生物の観賞ポイントを解説してみた』……古生物学者が教えてくれる博物館案内の本。紹介されるどの博物館にも行ってみたくなりました(行ったことのある場所にも再び行きたくなりました)が、遠くて行きにくい博物館でも、なんだか行った気分になれるほど素晴らしい博物館ガイドブックでした。化石好きの方はもちろん、博物館好きの方や旅行好きの方も、ぜひ読んで(眺めて)みてください。お勧めです☆
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『おせっかいな化石案内』