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第1部 本
健康&エクササイズ
心とからだを磨く生き方(帯津良一)
『心とからだを磨く生き方』2024/6/6
帯津 良一 (著), 横田 南嶺 (著)
(感想)
がん治療を支えるホリスティック医学に携わっている医師の帯津さんと、臨済宗円覚寺派管長・禅僧の横田さんが、自ら実践している養生法や死生観を語ってくれる対談集です。
ホリスティック医学とは、体、心、命が一体となった人間をまるごと対象とする医学で、その基本理念は、「全体は部分の総和としては認識し得ず、全体はそれ自身としての原理的考察が必要」だそうです。次のように書いてありました。
「(前略)ホリスティック医学は医療と養生の統合で始まり、生と死の統合をもって究極とします。この両極をつなぐのが日々のナイスエイジングすなわち、
老化と死とをそれとして認めて、これを受け入れた上で老化に楽しく抵抗しながら、自分なりの養生を果たして行き、生と死の統合を目指す。
ということになります。」
……そして87歳で現役の医師を続けている帯津さんの元気の秘訣は、どうやら病院の道場で毎日やっている気功と、調和道丹田呼吸法(三呼一吸法(「ハー、ハー、ハー」と息を吐き、「スー」と一度吸う)にあるようです。
呼吸法では、「調身・調息・調心」が大事なのだとか。
・調身:身を整える
・調息:吐く息に気持ちを込め、身体の中で増えようとしているエントロピーを外に捨てる。
・調心:不動智=どんな誘惑にも負けない心。四方八方にゆらゆら動きながらも、一旦緩急あればさっとそこへ行く心。
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本書には、真向法(呼吸&体操)や野口体操(体操)などのやり方が、イラスト付きで説明されていました。どちらもストレッチ系のゆっくりした体操で、健康長寿にとても効果がありそうです。
真向法については、次のような説明もありました(一部の抜粋紹介)。
「真向法は、委縮した筋肉や神経をよみがえらせ、圧迫された血管を正常にし、身体のすみずみまで酸素や栄養をゆきわたらせる。
長い間に硬くなってしまった体を、朝夕3分間、無理せず、気長につづけて柔らかい身体と感性を取り戻すのが目的。」
また横田さんが力を入れている「イス座禅」(座るまでに50分ぐらいかけて体操などの準備をして、10分間座る)も、心と身体の健康にとても良さそう。
さらに最終章「第3章 品位ある生き方をめざす それぞれの死生観」では、お二人の死生観についての対談が心に残りました。
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帯津「今日お聞きしたいと思ったのは、管長さんご自身が死後の世界をどういうふうに考えていらっしゃるかということなんです。」
横田「それはもう、よく聞かれることです。われわれは明日がどんな世界かわからないですよね、本当は。でも明日があると思って安心して、今日働く。明日があると信じているから、今夜はぐっすり寝る。今日、明日、今日、明日とやっているうちにその「明日」が死の世界になるだけじゃないでしょうか。」
帯津「ごく自然にあるわけですね。」
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自然体でのびやかに健やかに生きる……それが『心とからだを磨く生き方』なのでしょう。
品位ある穏やかで健康的な生き方へのヒントをもらえる本でした。みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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『心とからだを磨く生き方』